母は知っていた
やはり母にも誰にも打ち明ける事はできなかった。
おっちゃんとは少し距離を置くようにしていたけれど、母に不審がられるのも嫌だったので普通にしていた。
しかし、普通にしていたのが悪かったのだろうか、おっちゃんには毎晩触られていた。
いっそのこと母には全てをぶちまけたい。
でも、そんな事してどうなるのか・・・・
結局我慢することにした。
当時の気持ちを思い出そうとしてもいろんな感情が複雑に交差して一言で「こういう気持ち」と言い表す事は出来ない。
嫌だ、やめて欲しいというのは勿論だったが、言ってしまうと今の生活がなくなってしまうような不安が大きかったように思う。
母は私よりもおっちゃんの事を大事にしているというのは分かっていた。
そして、寝たふりをしてじっとしていたのだが、突然唇に何かが当たった。
おっちゃんの性器だとすぐに分かった。
気持ち悪くて悪くて、その後もじっとしていたけど、涙が出て来た。
母ちゃんにバレたらどうしよう・・・バレたらあかん。
私は何も悪い事なんかしていないのに、そんな気持ちになってしまっていた。
でも、母はとっくに気付いていた。
ある日の夜、「あんた、いい加減にしときや」という声が聞こえた。
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