母との生活

母との再会の日、駅に着くと迎えに来てくれていた。

簡単な身の周りの物だけでたいした荷物はない。


まだ服や細々とした物は置いたままだが、ユキはまだ残っているしまた少しづつ持ち出そうと思っていた。


やはり想像した通りであったが、マエカワさんが車で待っていた。


「こんにちは」とは言ったものの、何を話していいか分からないし、黙っていたのだが、車の中で母はずっとマエカワさんと喋りっぱなしで、後部座席の私を見向きもしなかった。


ユキはどうしてるのか?とも聞かなかった。

まるで私の存在に気付いていないようなそんな感じだった。


もう中学2年生なので、母に抱きしめて欲しいとは思わない。

しかし、何か声をかけてくれてもいいのではないだろうか・・・

もしかして迷惑だったのだろうか・・・・


それでも母との生活が始まるのは嬉しかった。

2階建ての小さなハイツの1階で、部屋は狭かったが、私と母とマエカワさんの3人の生活がスタートした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る