不登校

父の酒量は増え続け、ちょっと気に入らない事があると私やユキに暴力を振るった。


ますます家からは遠ざかり、学校とルリコの家だけが楽しかった。


ある日、学校で上級生の男子から呼び止められた。

校内では有名なグループの一人だったので顔も名前も知っていた。


「ちょっとぉ、自分、フルタ君って知ってる?」

「うん、知ってる」


校内で3年生のフルタ君を知らない子はいない。

先生もビビッて気を使ってるという噂だ。


「フルタ君がな、自分の事気に入っててやなぁ・・・・まぁそのぉ付き合って欲しい、言うてるんやけどな」

茶色に染めた髪をかき上げながら目は「あのフルタやで」と言っているようだった。


「・・・・・うん、別にいいよ」


簡単にフルタ君と付き合うようになってしまった。

見た目は全く好みでもなく、かっこいいとは思わなかったが、喧嘩は強そうだし、フルタ君が味方なら怖いものなし、と思った。


早速ルリコにも報告していつもフルタグループとつるむようになった。


その中に、アベ君という先輩がいて、私はアベ君が好きだった。

グループ全員が片親だった。


ルリコ以外は全員、フエー。

いつの間にか学校にもあまり行かなくなってしまった。


父はますます暴力を振るうようになった。


何故暴力を振るうのかは分からなかった。

学校に行かないからなのか?フルタ君と付き合ってる事なのか?ルリコやその他の友達が気に入らないのか?何なのか分からなかった。


自分のストレス発散の為に殴っていたのではないだろうか?


もうここにはいたくない。やっぱり母ちゃんとこに行きたい。

母ちゃんと一緒に住みたい。


やはり毎日思うのは母の事であった。

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