秘密

先生からは特に口止めはされなかった。


「親には言わない子」という確信があったのかもしれない。


それからも塾には通っていた。何事もなかったかのように。

ただ、先生を避けるため、塾には遅めに到着するよにして、帰りは他の子達と一緒にダダーッと走るように帰って行くようにしていた。


先生は諦めたのかターゲットを他に変えたのかもう「ミキちゃん、ミキちゃん」と言う事もなくなった。


もちろん誰にも言わなかった。言えなかった。


どうしてだろう?言ってはいけない事のような気がしていた。

ずっとずっと秘密にしていた。


ただ、教師が盗撮したり教え子に猥褻な行為をした、とかがニュースになったりしても特に何も思わなかった。


それは今でもそうだ。

教師も人間だし男なのだから、パンツの中身が気になって当然だろう。

子供目当てに教師を目指しているヤツもいるかもしれない。


しかし、私はどうして秘密にしてしまうのだろうか。

自分でも分からなかった。


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