so hot


「鍋が食べたい」

 ソファの上で膝を抱えたお前が、低い声で言った。

「俺の心はさ、とっても寂しくて、びゅうびゅう北風が吹きすさんでるんだよ」

 わざとらしくその膝に額を当てて、落ち込んだように溜め息をつく。

「それを癒してくれるのは、温かい鍋だけだと思うんだ──あんたが作ってくれる、さ」

 今は8月である。夏真っ盛りの、油断するとその暑さでぐらりとめまいを起こしそうなほど連日真夏日の。

 どこに北風が吹きすさぶって?

 けれど俺は、本能的に知っている。すねるこの恋人の機嫌を直すには、俺が折れるしかないということを。

 そして、どんな無理難題を押し付けられようと、結局は全部受け入れてしまうくらい、俺がベタ惚れだってことを。

「分かったよ」

 俺は右手で頭を押さえ、溜め息をついた。

「何鍋だ。作ってやる」

 お前がいきなりぴょこんと顔を上げ、にこおー、と笑顔を作った。

「キムチ鍋」

 ──なぜ、数ある鍋の中で、この真夏にそれを選ぶのだ、と俺は思った。

「豚肉たっぷり、野菜たっぷり、季節に逆らえ、汗をかけ! のキムチ鍋!」

 妙なキャッチフレーズを作ってこぶしを握り締めるお前の頭を、思わず撫でた。

 あんなすねた真似までして──実際にすねてはいたのだろうが──キムチ鍋にありつきたかったのかと思ったら、急にかわいく見えてきた。

「仕事が終わったら電話する。──スーパーで、待ち合わせよう」

 俺は手早くネクタイを結んだ。お前があとをついてきて、俺は玄関で靴を履く。いつの間に手入れしてくれたのか、革靴はピカピカになっている。屈んだままお前を見上げると、きょとんとした顔をしてこちらを見ている。

「──ありがとう」

 お前がにこりと笑う。そのお礼の言葉が何に対するものだったのか分かったらしい。

「真夏のキムチ鍋!」

「……おー」

 お前が勢いよくこぶしを突き上げたので、俺は無気力に右手を上げ、応えてやる。

「いってらっしゃーい」

「いってきます」

 玄関を開けたら、うんざりするほど暑かった。まだ朝なのに、地獄のような日差しが襲う。一旦、玄関の扉を閉めた。

「……いってらっしゃい?」

 お前が再び、疑問形で声をかける。俺は振り返り、お前の顔を引き寄せて、キスをした。お前が驚いたように目を見開き、赤くなる。俺は自分の顔をぱんと叩き、また、玄関の扉を開く。

「いってきます」

 今度は、気合いを入れてそう言って、外に出た。

 予定していたお盆休みは、上司の一言で、つぶれた。

 そんなわけで、出勤。不機嫌そうに口をとがらせていたお前が、キムチ鍋ひとつで機嫌を直してくれるなら、安いものだ。

 本当なら、今日から2日、山あいの旅館でのんびり過ごすはずだった。お前が見つけてきた、料理が評判の旅館だった。ついでに、近くにあるガイドブックに載っているレストランをひたすらめぐる、という食べ歩きの旅行である。胃がもたれそうな旅だな、と言った俺に、お前が悪魔のささやきを投げかけた。

 ──地酒が、おいしいんだってよ~。

 反対する理由はなし。だから、俺も楽しみにしていたのだ。わざわざお盆に、とは思ったものの、考えてみれば、一緒に休みを取って旅行なんて、したことがなかったから。

 けれど8月に入ってすぐ、休暇願は取り消され、旅館はキャンセルの電話を入れる羽目になった。

 落胆させただろうな、と思った。

 俺たちはわりとインドア派な人間で、あまり遠出をすることはない。お前も、よくタウン情報誌を片手にお出かけスポットを眺めているが、連れて行ってとおねだりされることもなければ、実際に腰を上げることもめったにない。

 そんなお前が、珍しく、一緒に行こう、と誘ってくれた。

 お盆のシーズンなんて、人は多いし宿泊料金もかさむのに、どうした風の吹き回しだろうと思ったくらいだ。

 電車の中は空いていて、同じようにスーツ姿で仕事へ向かう仲間がちらほらと乗っていた。

 窓から差す日差しはじりじりと焼けつくような熱さをたたえているが、いつもより空いた車内の冷房は心地いい。降車口の近くに立ったまま車窓を眺め、俺はソファで膝を抱えてすねていたお前を思い出す。

 半分は、ポーズ。けれど、もう半分は──

 今日のキムチ鍋は、奮発してやろう、と俺は思ったのだった。


 構ってくださーい、一緒にご飯食べてくださーい、とすがる独り身が寂しいらしい部下を振り切って、なんとか帰路についた。会社を出るときにお前に電話を入れたら、やけに弾んだ声で、じゃあスーパーで、と返事が返ってきた。

 駅を出てスーパーに向かうと、入り口でお前が待っていた。店頭に積まれた特売と書かれたカップ麺を眺めている。

「おやつ用か?」

 お前の頭をこつんと叩いてやると、くるんと振り返って、おかえり、と言う。

「ただいま」

「お疲れさま。──買わないよ。この前、別の店で同じのが76円だったなあと思ってたとこ」

 プライスカードには98円、の文字。特売というには、高い。

 俺は、お前よりも先にカゴを手にした。いつもなら、お前がさっさとそれを手にして買い物をする。まあ、今日は、お詫びの気持ちも兼ねて、俺が全部引き受けることにした。

「好きなもの、買っていいぞ」

「──うわー、太っ腹」

 からかうような口調で言って、お前がにっこりと笑顔になった。

「旅館やレストランの料理には、どうしたって敵わないからな」

「それは別に──」

 お前が何か言いかけて、やめた。何だ、と訊ねると、やけににこにこしながら、何でもない、と言われた。

「とりあえずー、もやしだね。もやしもやし」

 足取り軽くスーパーを進む。いつも通り、青果コーナーから順番にめぐる。もやしの棚の前で、俺は迷わず1キロ入りの大袋を手にした。それをカゴに入れながら、隣のお前に問う。

「1キロで間に合うか?」

「もう1キロ」

「キャベツは?」

「2玉」

 うん、驚くまい。お前の胃は、ブラックホール。どこか遠く、無限の彼方へと通じている。

「豚肉は」

 一応、訊ねてみる。

「2キロ」

 その答えに、思わずめまいを起こしそうになる。

「……さすがに食いすぎだ」

 そうつぶやくと、お前が突如俺を見上げ、まるで力説するように声を上げる。

「だって、真夏のキムチ鍋! いっぱい食べる! 目いっぱい食べる!」

 俺は、諦めに似た溜め息をつき、もう1キロ、もやしをカゴに入れた。そして、キャベツを2玉。もちろん他の具材も必要だ。ニラ、豆苗、きのこはしいたけとまいたけとしめじとえのき。すでにカゴがずしりと重い。

「お菓子、買ってこようー」

 お前がまるでスキップしそうな勢いでお菓子売り場へ向かった。俺は豆腐をカゴに入れ、400グラム入りのキムチを2つ買い、精肉売り場へ向かった。豚バラ肉はひとパック300グラムほどの小分けになったものばかりだ。それを3パック買って、ちらりと横を見ると、豚肉の切り落とし肉が1キロの大きなパックで売っていた。

 俺がそれに手を伸ばしたら、隣にいたやたら背の高い男の子がこちらを見た。くっきりとした目鼻立ちのやけに整った顔をした子だった。何だかじっと見られているので、笑いかけてみた。その子の表情が、つられるように笑顔になった。突然、人懐っこい雰囲気に変わる。

 その子は、俺よりも背が高かった。

「あの」

 5センチくらい──いや、そこまでじゃないかな、などと目測している俺に、その子が話しかけてきた。

「トマト鍋に入れるのって、モモとムネ、どっちがいいんですか?」

 意外な問いに、一瞬意表を衝かれた。

 どうやら、真夏の鍋仲間らしい。しかも、この子は高校生くらいで、あまり料理をしないようだ。スーパーにはいくらでも店員や主婦がいるのだから、そちらに聞いた方緒が確実だというのに、わざわざ俺に訊ねてくるあたり、頭が回っていないのだろう。

 その子はモモ肉とムネ肉のパックを手に、何だか困ったような顔をして、俺の返事を待っている。

 ──犬、みたいだな。

「モモ肉の方が柔らかくてジューシーかな。ムネ肉は脂が少ないから、固くてもさもさした食感になるよ」

 そう答えてやると、その子は途端に笑顔になり、ぺこりと頭を下げた。

 ずいぶんかわいいな、と思った。この見た目となつっこさなら、女性に声をかけた方が、優しく教えてもらえるだろう。持っている武器は、有効に使った方がいいぞ、高校生、と考えて、俺は苦笑した。

 精肉コーナーの隅で、豚のボイル白モツも買った。そろそろカゴの重さが腕に痛い。

 牛乳も買っておこうか、と思っていると、突然、後ろからばさりとカゴに山ほどのお菓子を落とされた。ぎょっとして振り返ると、お前がにこっと笑ってさらにもうひとつ、今手を伸ばして手に取った3連パックのヨーグルトをカゴに入れる。

 俺は呆れたように溜め息をつく。

「ずいぶん大量だな」

「このあと、アイスも買う予定」

「あー、好きなだけ買え」

 俺は肩をすくめる。お前がふふっと笑って、俺の袖を引いた。

「食べ物で釣って、甘やかし作戦?」

 ばれていたか。

「お前だけに、有効な、な」

 俺はお前の頭にぽんと手を置いて、笑ってみる。その距離が近すぎて、お前が慌てて周りを見回した。こちらに注意を払っている人間はいない。だから、お前も一緒に笑った。

「あんたに甘やかされるのは、好き」

「それならよかった」

 俺はお前の頭をくしゃりと撫でて、一緒にコーナーを曲がった。

 レジで会計を済ませ、お前が持ってきた大き目のエコバッグ2つに買ったものを詰め込んだ。2人で分けても、やっぱり重い。そりゃそうだ。キャベツ2玉にもやし2キロ、キムチ2つ、豆腐2丁、豚肉2キロにモツ500グラム。これだけでも約10キロ。

「やたら涼し気できれいな顔した男の子に、もやし2キロのキムチ鍋、何人で食べるのかって、聞かれちゃった」

「俺も、アイドルみたいな顔の高校生くらいの男の子に、鶏肉の違いを聞かれた。鍋仲間だったみたいだ」

「へえ、真夏の鍋。高校生は元気だね」

「お前もな」

 胃袋だけなら、現役の運動部の高校生にも負けない──というか勝ってしまいそうなお前の台詞じゃないだろう。

「おいしいといいね、その子の鍋。鶏肉ってことは──水炊き?」

「トマト鍋だってさ」

「うわ、トマト鍋! 今度はそれ食べよう。〆はパスタとリゾット、両方で」

「……了解」

 マンションに戻って、すぐに準備を始めた。モツは一旦ゆでこぼしてから、酒を多めに入れた水を加えて再び火にかけ、アクを取りながら柔らかくなるまでゆでておく。

 もやしは洗って水けをきる。キャベツはざく切り、豆苗は半分の長さ、ニラは5センチ長さに切る。きのこはほぐしておく。

 俺は、2人分にしては大きい我が家の土鍋──2人で選んで買ったものだが、大きさの決定権はもちろんお前──を取り出し、火にかける。ごま油をひいて、キムチの汁気を切って加え、炒める。油が回ったら豚肉を適当な量加えてさらに炒め、酒と水、モツの煮汁を加える。残っていたキムチの汁も加え、煮立って来たら味噌を溶き入れる。鶏がらスープの素、しょうゆ、焼き肉のたれ少々、砂糖少々、すりごまを加えて調味。

 濃縮タイプのキムチ鍋の素でベースを作ってもいいが、みそ多めのこっくりした味が好みなので、基本はこれ。辛みが足りないときは、韓国産の粉唐辛子を加えて調整。

 多めに作ったスープを別の鍋に取り分けておき、土鍋の方には野菜ときのこ、8等分に切った豆腐、ゆでたモツ、さらに豚肉を加えてスライスしたにんにくを散らし、ふたをしてくつくつ煮込む。

 お前がテーブルの上に卓上コンロと取り分ける器、箸を用意してくれた。

 今日は、とても2人分とは思えないほどの量キムチ鍋。よって、サイドメニューはなし。箸休め代わりの冷やしトマトと、たたききゅうりくらいは用意した。トマトはキンキンに冷やして適当に切っただけだし、たたきききゅうりはきゅうりをすりこぎでたたき割って、ごま油としょうゆをかけただけのシンプルなものだ。これは、最初に作って冷蔵庫で冷やしておいた。

 俺が鍋をテーブルに運ぶと、すでに自分の定位置に座っていたお前が、わくわくしながら待っていた。冷えたビールを持って、俺もいつもの位置に座った。

「開けていい? もうできた?」

 うずうずしているお前に苦笑して、俺は土鍋のふたを開けた。むわっと一気に湯気が立ち、一瞬俺たちの視界は真っ白になった。

「うにゃー」

 お前が妙な声を上げた。

 俺は上から仕上げに粉唐辛子と、いりごまをひねりながら散らし、ごま油を回しかけた。

 お玉片手にお前が器にによそう。

「いただきます」

 もちろん、片手には白飯が山盛りのごはん茶碗。

 この真夏に、窓もカーテンも閉め切って、エアコンで部屋を思いきり冷やし、キムチ鍋を食べる。とんでもない贅沢をしている気分だ。

 俺の傍らには、野菜の入ったザルと、豚肉の入ったトレイ。お前が食った分だけ、タイミングを見計らって追加していく。量を減らしたスープもその都度注ぎ足す。さすがにキャベツ2玉は無理だろう、と思っていたが、結局1玉分は軽々と食べた。野菜は余ってしまったが、肉の方は余らなかった。

「クーラーの効いた部屋で食べる真夏のキムチ鍋と、暖房の効いた部屋で食べる真冬のアイスクリームって、おいしいよね」

 味噌が多めの俺の味付けは、かなり辛いがまったりとマイルドで、スープだけでも結構いける。一応、玉うどんを一袋加えてみたら、当たり前のようにお前が食べきった。

「いっぱい汗かいて食べるのも楽しいけど、文明の利器には抗えないね」

「今の時期、クーラー切ってこんなの食ったら、あとで絶対倒れるぞ」

「うーん、そしたら2人で水風呂だねえ」

 〆の雑炊を作ろうと、ご飯を水で洗ってザルで水を切る。卵を溶いて、ネギをみじん切りにする。スープが煮立つそこにご飯を入れてかき混ぜ、少し煮込む。卵を流し、ねぎを散らしてふたをした。

 しばし待ち、俺は再び鍋のふたを開けた。

 さっき、あれだけ食べたはずのお前が、いそいそと雑炊をすくった。──白飯と雑炊って、入るところ違ったっけ? と思わせる食べっぷりである。

 土鍋を空っぽにして、お前がソファに倒れ込む。

「もう無理ー。暑いー。苦しいー」

 そう言ってうんうんうなるが、その顔はどこか楽しそうだ。俺は流しに洗い物を運んで、残った野菜をジップパックに入れて冷蔵庫にしまった。テーブルを拭いていると、お前が俺の手を引っ張って、ソファに引き寄せた。

「一緒に休もうよ」

「休まなきゃいけないほど、俺は食ってないよ」

「じゃあ、休むの付き合って。──洗い物は、あとでやるから」

 俺はテーブルにフキンを放り投げ、ソファに座った。お前が俺の腰に手を回すようにして抱きつく。そっと髪を撫でてみたら、額が汗で濡れている。

「暑いね」

「温度、下げるか?」

「ううん。暑くて、何か、気持ちいい」

 暑い、と言っておきながら、鍋で体温の上がった俺にくっついている。

 部屋中、きっと、キムチ鍋のにおいがしみついているだろうな、と俺は思った。あとで換気して、消臭剤を山ほど振っておかねば。

 お前の髪を撫でたままそんなことを考えていたら、お前がねえ、と声をかけてきた。

「トマト鍋の高校生は、うまくできたのかな」

「まあ、鍋スープの素だったからな」

 手にしたカゴにはパウチパックの鍋スープ。定番の野菜と鶏肉を入れて煮込むだけなら、失敗のしようがない。

「おいしかったかな」

「どうだろうな」

「楽しく食べれてたらいいね。楽しいと、おいしいから」

「そうだな」

「あ、それから」

 お前が顔を上げる。

「好きな人と一緒だと、もっとおいしいよね」

 にこりと笑ったその顔がとても幸せそうで、俺は思わずお前の頭をくしゃりとかき混ぜた。

「だな」

 俺の腰辺りにくっついていたお前が、身体を起こす。

「あのね」

「ん?」

 俺は隣にくっついて据わるような格好になったお前を抱き寄せる。

「さっき、スーパーで、旅館やレストランの料理にはどうしたって敵わないってあんたは言ったけど──」

 好きなもの、買っていいぞ。そう言った俺に、お前がにこりと笑顔になった。そのあとに、俺は確かにそんな台詞を吐いた。お前はその言葉に、何か言いかけて──

「俺は、あんたが作る料理が一番好き」

 何でもない、なんて、にやにや笑っていたお前。

 ああ、そうか。あのときお前は、そう思っていたんだな。

「こんな馬鹿みたいな量、本気で作ってくれるのは、きっとあんただけだよ」

 自覚はしていたらしい。確かにこれは、とても2人で食べる量じゃない。

「──ごめんな、せっかくの旅行、無駄にしちゃって」

「ううん、いい。そのおかげで、キムチ鍋が食べられた」

「前向きだな」

「本当にキャベツ2玉と、豚肉2キロ買うとは思わなかったけどね」

 おかしそうに笑うお前が、ぎゅう、と俺に抱きつく。

「同じ物を食べてるなら──」

 お前がいたずらっぽく笑った。

「俺たちきっと、今、同じにおいだね」

「そりゃ、そうだな」

「だったら──」

 お前が顔を上げ、距離を縮める。唇が重なる。

 きっと、俺たちだけじゃなく、部屋中。

 離れる瞬間、お前が俺の下唇を軽く噛んでいった。

「あはは、キムチ鍋の味だ」

 お前が笑う。

 中途半端にエロいぞ、お前。

 俺は、甘噛みされた唇を、舌でなぞる。お前の視線が、そこに注がれていた。まるでその動きを追うように、目線が動く。俺がそれに気付いていることに、お前がはっとし、顔を赤くして目をそらすようにソファを立とうとした。

「えーと──洗い物」

「は、後回し」

 俺はお前の腕を引き、再び自分の腕の中に引きずり込んだ。

 もう少し。

 俺は強く抱き締めると、お前が諦めたように大人しく俺の胸に身を寄せる。

 俺たちの身体はほかほかといつもより温かく、うっすらと汗ばんでいて、抱き合っていると少し暑い。

 けれど、もう少し。

 お前の髪にキスしたら、お前が応えるように、俺を強く抱き締め返したのが分かった。


 了



 真夏のキムチ鍋。

 食べたいけれど、食べたくない。

 鍋スープ(パウチとか)は薄いというか、コクがあまりないので、それを使うときも必ず味を足します。

 濃縮タイプは使いやすいので利用してますが、やっぱりキムチとみそで基本ベースを作ることが多いです。

 そして、唐辛子は韓国産。ただ辛いだけじゃなく、ぴりっとして消え去る感じとか、少し甘みがある感じがやっぱり、おいしいので。

 キムチは炒めましょう。おいしくなります。魚介もおいしいけど、やっぱり豚肉かな。モツも好きです。ずーっと、モツばっかり食べてしまいます。

 あとは水菜とか、ねぎとか、ある野菜を適当に入れていく感じ。何でもありだ。きのこはおいしいので、必ず入れます。

 さあ、みなさんも真夏のキムチ鍋を!

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