第9話

この空間では、静かで音一つ響いていなかった。

白をベースにしたこの部屋!?には、何も無かったし、絵を描く画用紙のキャンパスのようでもあった。 2次元の平らな世界!?・・・奥行きが見えて来ない・・・!?


犬や猫がじゃれて肉球を動かすようにポンポンと突然、黒い跡がつく、そして手袋が現れた。

パントマイムをしているみたいに二つの手袋が開いたり、にぎったり、フィンガーアクションをしたりして無いはずの物を上げたり、下ろしたり、引っ張ったり、止めたり、小さくして見えない人体や物を表現して存在するように創っていく。

(人が居る・・・!? 物が見える・・・!?)


手っ、手っ、手っ、手っ×4、BGMが部屋に流れ始めた。

空中に黒いハンコを押していく、黒く丸みのあるミッキーマウスの靴!?が出てきてムーンウォークをしてゆく。

マイケル・ジャクソンの『 ビリージーン 』がパントマイムと組んで舞台を作り上げでいく。

古い跡は、用がなくなると消え、新しいカラフルな跡を作っていった。


ムーンウォークをしているが、何故だか、足跡が小さく成っていき、白いキャンパスに奥行きを描いていった。

四方八方、左右上下逆さに足跡を残していく。

 

 奥行きが場所場所で《山や谷、エレベーターやエスカレーター》と変形し、目の錯覚を生ませ見せた。 突然変わり、また平面に酔っぱらい風のピエロ゜ハツカネズミが、現れた。 こけそうで こけない、千鳥足で歩く足取り跡や車輪、一輪車のタイヤ痕、それに尻尾みたいな曲線、様々な模様を描いた。 ワープしたり、ダマして反対側から出て来たりとミュージカル+サーカス+マジックを演舞していく。


足跡は、黒いインクが細胞分裂をするように黒い球体が細かく成ったり、大きく成ったりし、色々な色に変わったりもした。 そしてリピート×3を繰り返しては、小さくなり散って行く。

絢香とコブクロの《あなたと》がゆっくりとビアノ音で流れる。


ピンポン玉と白い手袋がピアノを叩き、音を奏で始める。 音の強弱や色の変化、そしてスピードを変えてミックス パフォーマンス アートを創作し遂げたのだった。  


 残像現象なのか、一部屋以外の空間にも形が見えてくる。


私達は、日々 チャレンジし、未来に向けて歩いて行く。

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