第6話

8月15日のお盆頃 町内で配られた風鈴が風になびかれ、そこら中で涼しげな音を奏でていた。

しかし、その鈴とは、裏腹に古びた埃のかぶった茶箪笥に昔 飾られた鈴が、多く整頓され、並べられていた。


ゴー、ゴゴー、ゴゴゴー、地震!? 茶箪笥が揺れる、物が倒れる。 ガラス物、瀬戸物類が当たったり、落ちたりして割れる。

パリーン、バリーン、バッシャ~ン・・・!?

床に落ちて割・れ・る、散・ら・ば・る。


しかし、何物かの力が加わったのか!? 掛かったのか!?・・・・・・ゴ~ンゴ~~ン・・・・・・!?

散らばった物が割れた所に落ちた高さに浮き上がっていくと消えて!?は、移動!?、再生!?。 浮いて、消え、移動、再生というリズムで壊れたものが、次から次へとリサイクル!?されていった。 魔法!? 時間をさか登るタイムスリップ!? 


八つの鈴が横一線に並んだ。

各々に個性を持った鈴にオリジナルのカラーの煙が、まとわり、色付いていく。

目の前を畳まれた小さな小さな傘と見えないバトントワラーが通り過ぎて行った!?・・・・・・。


鈴が幼児のバレリーナみたいに慣れない感じでゆらゆらと踊り出す。

八人の女透明人間が、ミニスカートとインナーバトンは、『 エーデルワイス 』を奏でて生活用品をオペラ舞台で癒していった。

「 エーデルワ〜イス、エーデルワ〜イス」、低い歌声!?と始めは、疑ったが、聴こえやすい高音の天使の美声に自然に変わっていき、みんなを引き付け、心の中に響いていった。


綺麗な指先とステップ、そして高いジャンプで両足が浮いて交えて座った。

" エーデルワイス "が消え、一瞬だけ " 白鳥の湖 "に変わる。

明かりが落ちてピンライトが当たる、鈴が次から、次へとジャンブし、回転した、本のめくりアニメを見ているみたいに動いて視界に映った。 光の当たっている一部に動きが生じ立体的に見えた。


人の目を引き付ける鮮やかな色が次々変わって行く、八匹が順次に消えて行き、一匹のやや白く輝いた白鳥に成り、" 白鳥の湖 "を踊り始める。

緩やかな音楽で、白鳥の湖を演じた。

声や動きが無い日常生活用品全品が心を打たれ、自然に右へ→左へ←へ体を揺らされる。


楽しい時は、過ぎて思い出に変わっていった。

いつからか、フィナーレのジェンカが流れ出す。

テケッテ〜テ〜レ〜テレレレ〜レッレッレッ、レッツ、キス、頬寄せて、

みんなが前の相手の両肩に両手を置いていた。


右、左、前、後ろ、前、前、前、耳と脳が判断し、体が勝手に、見覚えのあるリズムでみんなが、楽しんで踊っていった、周りを巻き込んでいく。

そして次第に 一人、また一人と画面から消えて行く。

もちろん、周りは、笑顔で手を振っていた、透明な舞台役者も《スマイル》で愛想良く笑顔で去って行った。

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