第5話

一団体が催し物を行おうとしていた。

デブっちょと背〜たかノッポとチビは、床体操をするような格好で揃って歩いて出て来た。

センターで一列を作って止まる。


三ロール以外は、何もなかった。

小刻みにドラムを叩く音がする。

背〜たかノッポが両手を出して見えない棒を掴む。

「はいっ」

 真横に成り、「よっ、よっ」と掛け声を出して上に登っていく。


デブっちょも両腕を出した。

見えないポールを掴んで両足を空中で蹴って横に成って登っていった。


チビもそでをめくり、小さな腕のコブを出し、無いはずの棒を両手で握り、横に成り、空気を足で蹴って三ポールのトイレットペーパーで真横に成り、空気を蹴ってエアーこいのぼりを見せて演じた。


楽し気なオルゴールが流れる。

それは、みんなに好かれている"笑点のテーマ曲"だ。

テン テケ テケ テケ てっ てっ ピー、

テン テケ テケ テケ てっ てっ ペー

の"てっ てっ"のところで 三ロール共 空気を足で蹴ったのだった。

回りの備品達から、多く拍手を貰う。 もらう。 モラウ。 喝采の嵐であった。


 欠点を乗り越えて頑張っていく商品に成らないトイレットペーパーのロールの姿が、周りのほうき、あるいは、ゴム手などの備品達に拍手喝采を作らせる程の感動を与え、あびさせたものだと思われた。


 努力・自分を超える力・相手に伝わる感動は、素晴らしい事だと思う。

 みんなの中にも必ずあるんだよっ。 《 陰湿ないじめ 》なんかでは、なく 負けじに何回も何回も挑戦し、相手に感動を与え、心を動かす力をねっ。 ねっ。 諦めずにこつこつと頑張って行こうよ、失敗をおそれずにさ・・・。

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