第140話 魔王ばぶー。

 「よくやったのじゃ!スキヤキ!」

 「いえ。…言いにくいんですが、中にマリー様もいらっしゃったのでは…」

 「そうじゃった!!」「ばぶ?!」


 廃墟の瓦礫が吹き飛び、人の形をした別のモノがふわりとこちらに向かってくる。


 「オリビア。貴様か、我が城を破壊してくれたのは!」

 「そうじゃ!人の寿命は短いのじゃ!魔王め!150年もさらいおって!」


 「寿命?そういえば、そんなものがあったのだな。」


 目の前に降りた魔王にビビッて、ペロが指輪に戻る。


 空間を引き裂き、仮死状態のエルフを引き出す。

 マリーが目の前に投げ出される。


 「どうやら、まだ、生きているようだ。」


 ルビーちゃんがマリーの影から飛び出し、マリーを抱えて俺の横につく。


 ≪ギフト≫


 うっすらとした意識の中でマリーが話す。

 「あら…。スキヤキちゃん…。わたし分かったの。わたしとあなたは…。」すやすや

 「ばぶ!」


 マリーをマジックバックに突っ込む。


 「人質がいなければ、おぬしなんぞに負けぬのじゃ!」

 「それはどうかな?150年前は、確かに勝てなかったが…。」ニヤリ


 「気を付けて!レンが言うには、そいつ!レベル250だって!」


 「な!なんじゃと!!!」

 「150年間。お前の血のおかげで隔離された魔族領からでて、大量の呪いが我が糧になったわ!お前を引き裂き!もうひと働きしてもらうぞ!」


 魔王がドロドロと溶けて液体が膨れ上がる。


 「逃げるのじゃ!わしが壁になっている間に!」

 「ばぶ!」


 オリビアに飛びつく。オリビアは黒龍へと姿を変化する。


 魔王もゴブリンの顔に牛のような角、オークの体に蝙蝠の羽、毛むくじゃらの下半身をした姿に変化する。


 オリビアも魔王も山ほどの高さがある。

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