第136話 黒い岩山ばぶー。

 砂漠の移動に、冒険者ギルドで駱駝ラクダ獣人を雇いオアシスに向かって3日。


 「ばぶ。」

 「お坊ちゃま。つきましたね。のんびりと砂漠の旅もいいものですね。」

 「でちゅ。」

 「冒険者のみなさん。帰りは不要ですので、今夜はこれで楽しんでください。」

 「赤ん坊のぼっちゃん。さんきゅーな!」

 代金とは別に、ここころばかりのお礼を手渡し、湖でバカンスを楽しむ。


 その夜、オアシスにある宿屋の主人が奇妙なことを教えてくれる。

 「ここから南にある砂漠の岩山には近づかないことだ。近づいた者は誰も帰ってこない。」


 それを聞いた冒険者たちは、逆に興味を持ってしまい。

 「ははは!なら、俺たちが見てきてやるよ!」

 そういって、ガバガバと酒を飲む。

 「いえ!冗談ではなく、本当にやめたほうが…。」


 それから3日たったが、岩山に向かった冒険者たちは戻ってこない。

 『スキヤキ様。言っても無駄とは思いますが。浅はかな行動はしないほうが…。』

 『3日も一緒に旅した人たちでちゅ。心配でちゅ!』


 ≪ウィンド≫飛翔!!


 ビュ!ビュ――ン!!


 しばらく飛ぶと、砂漠の中に黒い岩山が見える。


 危険でちゅ。危険でちゅ。


 近づくとワイバーンライダーの一団が向かってくる。


 ≪エアロシールド≫

 ≪ウィンド≫加速!

 ≪クリーン≫


 ワイバーンの集団に飛び込みクリーンの魔法を唱える。まばゆい光とともにワイバーンの背から召喚陣がき消えていき、魔方陣を失った魔族たちが消失していく。


 『スキヤキ様。魔族ですね。冒険者の方々は、もう…。』

 『分かってるでちゅ。でも、このまま、放置はできないでちゅ!』


 ピカピカになり、きょどっているワイバーンたちをマジックバックにツッコミ、岩山に向かう。


 岩山の中央には、鎖に縛られ黒い血を流している一匹のサーペントがいる。


 『お!おーりぃ!!!!』

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