第137話 ドラゴンブラッドばぶー。

 「ばぶ!!」

 『なんじゃ。赤ん坊がこんなところにくるでないのじゃ。』

 「ばぶー!!!」

 『なぜか、見覚えがあるのじゃ?』


 ≪手練手管てれんてくだ


 おーりぃの体を操り、鎖を引きちぎらせる。


 バキィン!バキィン!バキィン!バキィン!


 『おー?!もしや、スキヤキか!!なぜ、赤ん坊なんじゃ?』


 そこに、干からびたオーガのような中級魔族が現れる。

 「ワイバーンどもは、飛行する物体の偵察に行ったきり戻ってこねぇし。ドラゴンは鎖を引きちぎってるし。おいこら!人質ころしちゃうよ?!」

 「ばぶ?!」


 『ただの寝返りなのじゃ!マリーには手をだすでない!直ぐに横になるのじゃ!なーに。150年くらいこうしているのじゃ。スキヤキは心配するでない。』


 「ばぶ!」

 指輪が人型になり、ペロが現れる。

 「お坊ちゃまの言葉をお伝えいたします。人の寿命はレベルの2倍ですので、マリー様は亡くなられているのではと…。」


 『わ、忘れておったのじゃ…。人の寿命が短いことを…。』

 「とっとと横になって血を流しやがれ!ドラゴンブラッドの岩が、まだまだ足りねぇんだ!」


 『ガァァァァァ!!!!手計たばかりおったのじゃな!ゲスども!流石にこれは、目が覚めたわ!』


 岩山が激しく振動し、とてつもない波動がおーりぃを中心に広がる。


 「て!てめぇ!この撲殺魔人ぼくさつまじんの命令がしたがえねぇのか?!」


 オリビアを棍棒でバシバシと殴りつけるが、音が徐々にペチペチへと変わり、オリビアの姿がサーペントから、山のように巨大な一匹の龍になる。


 『スキヤキ様。こ、この方は西の黒龍…レベル200です!』


 ドシーン


 おーりぃのひと踏み、いや、小指の先に当たっただけで中級魔人は消滅する。


 おーりぃがふらっと傾く。

 「血を流し過ぎたのじゃ…。じゃが、マリーの敵をうちに行くのじゃ!」

 「ばぶ!」


 ≪ドレイン≫≪ギフト≫


 おーりぃの血が固まったできていた黒い岩山から、エネルギーを吸収しおーりぃに与える。


 「お坊ちゃまも協力すると言っております!」

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