第126話 ルビーちゃんの願いばぶー。

 蒸しあがった蟹をワイバーンたちがつつきだすが、傷ひとつつかない。


 せっかくだから、マジックバックのジャングルのみんなも出すでちゅ!


 ぽぽぽ~ん!


 『レン。手足の甲羅の上側だけ、ダンジョンに吸収するでちゅ。』

 『ダンジョンコアになって、扱いが悪くなった気がします…干物用に捌いたり、かば焼き用のタレを作ったり…が了解しました。』


 高速ハイハイで蟹の手足を走行して、レンに吸収させる。

 その瞬間、今まで以上に強烈でいい匂いが広がる。


 「なんでぇ!こりゃぁうまそうだな!酒のつまみに丁度いいぜ!」

 がぶっ!


 ジャングルの頂点ソフィーが、口を付けたことにより、豚もワイバーンも鶏も蟹に群がる。


 ごくごく

 「かぁ~!酒が倍うめぇ~!」


 がつがつ

 「ブヒ♪」

 「グワァ♪」

 「コケッ♪」


 『スキヤキ様。甲羅の部分は取らないのですか?』

 『なんとなくでちゅが、ぱかっっと開きたいでちゅ。』


 「それなら。おらぁに任せてくんろぉ。」


 そういって、蟹に向かっていき甲羅をつかみ、もう片方の腕を口に手を突っ込む。

 何事か?とみんなも注目する。


 ≪一点突破いってんとっぱ≫ 


 バキャン!


 物凄い力で甲羅が引っぺがされ、蟹の後ろ側にゆっくりと落ちる。


 ドシーン


 後ろにいた、鶏たちがてんやわんやするがすぐさま甲羅の中身をつつきだす。


 ばたん

 「ふ~。レベル最大値の力を発揮できるスキルだぁ。ただ、この後、一か月は動くこともできねぇだぁ。」


 『ビビン!でかしたでちゅ!』


 ≪ギフト≫


 『ん?動けるだぁ!さすが、スキあにぃだぁ!』

 『みんなと食べるでちゅ!』


 宴状態で食事をしていると、船の墓場の結界がなくなり、霧が晴れ、星々が輝きだす。


 『ルビーちゃん。ここが、ルビルデと見た夜空でちゅ。』

 「ここが…。」


 ルビーちゃんが、つぅーっと涙を流す。


 えっ?そんなに感動するところでちゅか?!

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