第123話 上限99じゃなかったばぶー。

 全裸の鯱の魚人しょうじょに乗ること20日、船の墓場についた。


 『ぱぱ~。星が見えないね。』

 『霧が濃いでちゅ。誰かが巻き込まれてるでちゅかね?』

 『お坊ちゃま。普通の霧ではないのですか?』


 霧は出ているが、ボーンシャークの群れは見えない。


 『ペロ。スキヤキ様に聞く前に、霧の流れを観察しなさい。霧が向こうの方を中心渦巻いています。』

 『本当です。ぐるぐるとしてます!』


 『あっぢの半分沈んでる船から、船の塊ほうに上がってみるだぁ。』

 船に上がり、俺をおんぶして何十隻もの船が組みあがっている方に向かう。


 ついた霧の中心には、霧の原因をらい続ける巨大な蟹がいた。


 モシャ…モシャ…


 『ペロ。あれに勝てる気しないです…。』

 『コアの能力。≪看破≫では、レベル122のワーシップクラブです。』

 コアの能力?・・・そんなことより、今は奴の背中でちゅ!


 『お坊ちゃま!気づかれないうちに逃げましょう!』

 『ペロ。ワーシップクラブの背中を見なさい。そして、覚えておきなさい。』


 『え?!あれって!人魚がはりつけに?!』

 『このような状況で逃げるわけがありません。スキヤキ様は…』


 そうでちゅ!蟹にはりつけにされた人を見殺しになんてできないでちゅ!


 『浅はかで女好きです!』


 ち、ちがうでちゅ!


 『なるほど!でも、なんではりつけになんて?』

 『高位魔獣の養殖。人魚で船の墓場の魔物を発生させ、ワーシップクラブのエサを作り、成長させいるのでしょう。』


 『逃げないって言われても、レベル122なんて、どうにもならないです…。』

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