第118話 下級魔族の群ればぶー。

 ビュ!ビュ――ン!!


 南の海運帝都マッシュに向かって、飛翔で移動している。

 200年前は帝王ホワイトが納めていた海運帝都マッシュは、魔族の頻繁な攻撃で衰退していると探索者ギルドの情報で得ている。


 ちなみに、ルビーちゃんは、俺の影の中に潜んでいる。

 もう、赤ん坊の形をした空母でちゅ!


 黒真珠のネックレスのレン。

 レンのダンジョンネックレスに住んでいるボンテージクイーンのライナ。

 マジックバックの中のジャングルに住んでいる死神のソフィー。

 ジェリルの指輪のメイドのペロ(ペンギンの翼人の少女)。

 ホワイトの指輪の執事のビビン(しゃちの魚人の少女)。


 フフフでちゅ!


 『スキヤキ様。海運帝都マッシュについたら、酔っ払いを捨てていくことをお勧めします。』

 『レン。気持ちはわかるでちゅ。もう少し、様子を見るでちゅ。』

 『お坊ちゃま。言いにくいのですが、ソフィー様がジャングルの頂点に立たれていまして、いなくなると戦争がはじまるやもしれません。』

 『『…。』』


 言い過ぎたでちゅ…。たちの悪い酔っ払いの住んだ安アパートでちゅ。


 危険でちゅ。右危険でちゅ。


 空でちゅよ?

 右の遠方に、ワイバーンの群れ。よく見ると何かが乗っている。


 『探索者ギルドの情報から推測すると、ワイバーンライダーです。ワイバーンの背に召喚陣を描き、自分たち下級魔族を召喚しています。』

 『目的地は、向こうも同じでちゅ。船を買う前に壊させないでちゅ!』

 『あるじ様。わたしにおまかせを。』

 空飛ぶ赤ん坊の背に、腕を組んだライナ現れる。

 「パパ!私も手伝うよ!」

 胸の当たりの影から上半身だけ現れて、両手に大魔法を準備するルビーちゃん。


 軌道を修正して、ワイバーンライダーの群れに突っ込むでちゅ!


 ビュ!ビュ――ン!!


 ≪エアロシールド≫


 俺の目の前にシールドをはる。

 レベル1でちゅからね。


 ≪ウィンド≫加速!


 「あ!あるじ様ぁぁぁぁ~~~~~~~・・・…」

 加速の風圧に耐えられず、ライナが落下する。

 『あとで、拾うでちゅ・・・』


 心なしか、魔族たちが、あ然としている。


 ≪ウィンド≫更に加速!

 「パ!パパ~~~~~~~~~~~・・・…」

 今度は、ルビーちゃんが落下する。

 『あとで、拾うでちゅ・・・』


 確実に魔族たちが、あ然としている。


 スキルの(中)プロ(大)マスター(高)レジェンドを超える俺のスキル。いて呼ぶなら、(極)アルティメット

 そんな風魔法の加速は、何人たりとも寄せ付けない。

 目が合った魔族が、びっくりする間もなく、ワイバーンライダーの群れの中腹まで突っ込む。


 生活魔法の(極)アルティメット


 ≪クリーン≫


 まばゆい光とともにワイバーンの背から召喚陣がき消えていき、魔方陣を失った魔族たちが消失していく。


 空には、ピカピカになったワイバーンたちのみが残っている。


 『おっと!落ちる前に拾うでちゅ!』


 ビュ!ビュ――ン!!

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