第117話 ルビルデの魔道具ばぶー。


 朝。ゴシック服の少女と見つめ合う。

 ペロが通訳をする。


 「ばぶ。」

 「パパは、行くよ。と申しています。」

 「やだ!」


 「ばぶ?」

 「ついてくるか?と申しています。」

 「うん!いく!」


 「でちゅ!」

 「ついてこい!と申しています。」

 「やったー!」


 「でちゅ。」

 「ルビルデとは、お別れだよ。荷物をまとめなさい。と申しています。」

 「なんで?とりあえず、荷物まとめるね。」


 ゴシック服の少女は、家に魔力を流すと、世界が手に高速で集約されていく。

 家が、庭が、大森林が、擬態魔族が、集約されていく。


 少女の持つ真っ赤なイヤリングのみが残り、辺りは広大な砂漠が広がっている。

 少女は、そのイヤリングを耳に付ける。


 『こんなとてつもない魔道具も、ルビルデは作れたんでちゅね。』

 『スキヤキ様。私どもが会った時点から、かなり成長されたのだと推測いたします。』


 「パパ!行こう!」


 『ところで、スキヤキ様。どこへ参られますか?』

 『決めてなかったでちゅ。』


 「ばぶ。」

 「どこか行きたいとこはあるか。と申しています。」

 「うん!パパとママが星を数えた海がみたい!」


 「つかぬことをお伺いします。お名前は何でしょうか?」

 「名前?名前ないよ!」


 「ばぶ。」

 「つけてもいいかと、申しています。」

 「パパ!お願い!」


 『ルビルデの名を貰って、ルビルデでちゅ!普段は、ルビーちゃんて呼ぶでちゅ!』

 「うん!あ!パパの言葉がわかる!」


 ステータスに、眷属欄が増えたでちゅ!

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