第116話 ルビルデの日記ばぶー。

 家のリビングには、白骨化した遺体があった。

 見覚えのある服装、膝元に落ちている銀縁ぎんぶちの眼鏡。


 「はい!証拠の日記!」

 「ばぶ。」


 日記を読む。

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 スキヤキと運命の出会いをはたすチィ。

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 呪いとの出会いでちゅよね?!


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 スキヤキと船の上、朝まで星を数えるチィ。

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 呪いの実験でちゅよね?!


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 披露宴。スキヤキと初めての共同作業でチィ。

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 中級魔族の討伐でちゅよね?!


 「どう!えへへ。」

 そっか、この子はルビルデが集めた呪いから生まれた魔族でちゅか。


 違うと突っぱねるのは簡単でちゅ。

 死んでいる母親のそばで、100年以上も守ってきたんでちゅね。


 「ばぶ!!」

 「パパだ!!」

 手をひろげて、受け止める準備をする。


 「パパー!!」

 めちゃくちゃな勢いで飛び込んでくる。


 ドガーン!


 とっさにライナが受け止めなければ、死んでたでちゅ!魔族、半端ないでちゅ!


 その夜。

 少女が眠りについた後、日記の続きを読んだ。


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 スキヤキのおかげで、超大金が手に入ったチィ!

 南の森で、呪いの研究に没頭するでチィ!

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 うん。ルビルデは責任感じるタイプじゃなかったでちゅ。


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 黒い蛇のような呪いから、概念(欲求)。を消滅させることに成功したチィ。

 概念にポットなど物質情報を追加するとポットの魔獣になるでチィ。

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 んん?この森!めちゃくちゃヤバイ研究してるでちゅ!


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 昇天茸しょうてんだけは、1年に1本しか生えないが、昇天するほど美味しいきのこでチィ。ただ、竜を即死させる毒があるチィ。

 でも、呪いの概念を昇天茸しょうてんだけに変えれば、毒なし茸ができるチィ!

 今晩は、最高の夕食になるでチィ。

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 ここで、終わっているでちゅ…。


 チラッと台所を見る。

 台所の一角に群生してる昇天茸しょうてんだけがあるでちゅ!

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