第119話 大事ばぶー。

 ビュ!ビュ――ン!!

 バッサ!バッサ!バッサ!

 バッサ!バッサ!バッサ!バッサ!バッサ!


 飛翔で移動している後ろに、ワイバーンの群れがついてくる。

 振り切っても、いいのだが何となくできないでいる。


 『スキヤキ様。このままでは、マッシュで軍隊に迎撃されかねません。』

 『わかってるんでちゅけどね…。』

 ワイバーンとは言え、好意を向けられると無下にできないでちゅ!


 「グワァ♪」


 『スキあにぃ。マジックバックのジャングルに住まわせったらどうだぁ?』

 『そこまで、広くないでちゅ。』

 マジックバックは、めちゃくちゃ広いのだが、ガラスで囲っていない所は溶けてしまう。

 ガラスガーデンジャングルには、限界がある。


 『スキヤキ様。ルビルデ様の魔道具を模倣すれば、ガラスガーデンを10倍くらいにはできますが、いかがいたしましょう?』

 『そ、そんなことできるでちゅか?!』

 『はい。はぐれとは言え、ダンジョンコア。模倣したアイテムを作ることくらい造作ぞうさもありません。』

 『頼むでちゅ。』


 ガラスガーデンを、マジックバックから黒真珠のネックレスレンに移動するとあっさりとガラスガーデンの中の空間が10倍になった。

 マジックバックに戻すとき気づいたのだけど、レンに入れとけば、よくね?


 そうして、広大になったガラスガーデンにそこら辺の木を適当にツッコミ、ワイバーンたちをご招待する。

 次の日、ワイバーンたちは死神のソフィーの下についていた。


 ソフィー>パンティ>豚>ワイバーン>鶏…。


 残る問題は…。


 「パパなんて嫌い。」つーん

 「あるじ様に怒ったりしません。」ぷんすか


 カッコイイ所を見せようと張り切っていたのに、振り落とされている間に全部倒されてしまったことをねているでちゅ。


 7日後、海運帝都マッシュについた。

 海運帝都マッシュの城や、軍の拠点は度重なる魔族との戦闘でボロボロになっているが、街の方はまだ、たいして狙われておらず、多少の賑わいを漂わせている。


 変装用の魔道具を使用して、ルビーちゃんの魔族の特徴とライナのオークの特徴を隠蔽し、海岸沿いにあるプラム商会マッシュ支店花蜜亭はなみつていで、みんなにスイーツや料理の大盤振る舞いをしている。

 『きげん直すでちゅ。』

 『パパなんて、きら~い。』にへら

 『あるじ様、おこってません。ブヒィ。』にへへ


 7日間の戦争がようやく終わったでちゅ!


 「甘いもんなんて、いらねぇよ!酒だ~酒もってこ~い!」

 「おらぁ、肉が食いてぇだぁ~。」

 「お坊ちゃま。せっかくの海です!新鮮な生魚を食べましょう。」


 『みんな、好きに食べるでちゅ!』

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