第104話 プラムばぶー。B

 目を覚ますと、プラムの部屋の天井。

 部屋にあったみんなで寝れる特大ベットはなく、ツインのベットになっている。

 「おめざめみゃん。」


 プラムの子孫。

 「後を追っかけたら、大泣きしてたみゃん。かかえたら、寝ちゃったから私の部屋に連れてきたみゃん。」


 センスを感じさせるシンプルなベビー服が着せられている。

 「ばぶ。でちゅ。」

 (ありがとうでちゅ。)


 「赤ん坊ほしいみゃん。ふさふさしっぽも、くねくねしっぽもない人の赤ん坊でこんなに可愛いみゃん。」ぎゅー

 「でちゅ。」

 (離してほしいでちゅ。)


 「バナナ子爵家の話もしてあげますみゃん。」

 「ばぶ?」

 「あら。やっぱり興味がおありみゃん。」

 「ばぶ。」

 「バナナ子爵家の話は明るい話じゃないみゃん。それでも、聞くみゃん?」

 「ばぶ!」


 プラムがゆっくり話始める。

 「バナナ子爵家にご先祖様の石碑はないですみゃん。すべては、激痛魔人げきつうまじんがリキーダの都を襲ったことがきっかけみゃん。最初は弱体化をさせて倒せるはずでしたみゃん。でも、その魔族はそれまでとは違いましたみゃん。今でいうところの耐性魔族ですみゃん。激痛魔人げきつうまじんを弱体化できない!Sランクのご先祖様方でも攻撃できない!リキーダの都を…破壊していきましたみゃん。そこで、バナナ子爵家のご先祖様のハーナ様とナーナ様は決死の作戦にでますみゃん。レベル絶対制により攻撃できない激痛魔人げきつうまじんを、ハーナはナーナをナーナはハーナを抑える形で≪牛刀割鶏ぎゅうとうかっけい≫を使い、挟みこんで抑え込みましたみゃん!リキーダの冒険者や兵士たちはハーナやナーナを攻撃する形で大規模な攻撃を行いましたみゃん!その攻撃の中、ご先祖様は、ただ2人なかまに≪ヒール≫をし続けましたみゃん。」


 「…。」

 (ハーナ。ナーナ。プラム。アンズ。)


 「激痛魔人げきつうまじんの激痛も、リキーダの冒険者や兵士たちからの攻撃も耐え続け、やがて激痛魔人げきつうまじんは滅びましたみゃん。最後に微笑みを浮かべ石のように固くなったハーナ様とナーナ様が残りましたみゃん。感謝したリキーダの住民は、ハーナ様とナーナ様の周りに何重にも花をそなえましたみゃん。3日目の晴れた日。砂になって崩れさりましたみゃん。南にある花園がお墓みたいなものですみゃん。」


 うわ~ん


 大泣きしたでちゅ。


 「ほらほら。もう泣かないみゃん。」

 「ぐすん。。」

 「ミルク持ってくるから、ちょっと待ってるみゃん。」


 プラムがドアを開けようとしたとき、部屋の窓から突風が吹き抜ける。

 「きゃっ!」

 「あら。どこいったみゃん?」


 窓を開け、飛翔で飛び立つ。ただただ、花園に向かって。

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