第87話 レベル12とオレ。

 「あ!おかーさん!この人たち銅像の人たちだよ!」

 無邪気な子供の一言で、あれよあれよと、今にいたる。


 「勇者たち。表をあげよ。」

 「「「「「は!」」」」」

 王宮の広間で、ぞう獣人の王クリプト・オパに謁見している。

 「この度の勇者たちの行動。大変、大儀であった。今宵、晩餐会を開く、勇者たちも出席されよ。」

 「喜んで出席いたします。」

 「うむ。パドキア。勇者たちをゲストルームへ案内せい。」

 「御意。」


 クリプト王が退席し、ぞう獣人の大臣・・パドキアにゲストルームに案内される。

 「必要なものは、扉の前のメイドにお言いつけください。それでは、失礼。」

 パタン。

 扉がしまる。


 「「「「「ぷはぁ~。」」」」」

 疲れたでちゅ。


 「晩餐会じゃ、食事もまともにできないな。メイドに軽い食事を持って来てもらおう。」

 「にゃーは、ハンバーグがいいにゃん。」

 「おたいは~、野菜いため~。」

 「同じです~。」

 「甘いものがほしいみゃ。」

 「なんか、飯屋の注文みたいで、悪いが頼んでみよう。」


 ちゃんと出たでちゅ!さすが、王宮でちゅ!


 晩餐会では、クリプト王の横に席が設けられたので、主賓として、ゴーレムダンジョンでのギミック階層の話を身振り手振りを交えて場を盛り上げる。

 「ぜぇぜぇ、はぁはぁ、命からがら赤の道の7つの関門を突破し、次の関門でハーナが床に乗ると、歯車が動きだして、びよよ~んと…はずれの看板が。」

 「「「わははは!」」」

 「わしは最初から、青の道が正しいと思っておったぞ!」


 クリプト王にウエイターからワイングラスが渡される。

 呪い?でちゅ。


 見て見ぬふりはできないでちゅ。呪詛耐性もあるでちゅ。

 クリプト王から、ワイングラスを強引に取り、一気に飲み干す。

 ぞう獣人が持つと小さいワイングラスでも!!!

 ゴクゴグゴク…。

 「ぷはぁ~。」


 突然の無礼な行動に啞然とするまわりの人々。


 あれれ?目がまわるでちゅ。

 あ、レベル12みせいねんだっら~でちゅ~。


 バターン!

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