第83話 トライとオレ。

 こん棒を持った一つ目の巨大ゴーレムと戦うこと200日目、200回目のトライ。

 罠をはり、転ばさせたり、壁にぶつたりと、今までしてきたが、全てのトライで1%のダメージを超えたことはない。


 「逃げろ!逃げろ!逃げろ!」

 「離れろ!離れろ!離れろ!」


 安全マージンを徹底的にとり、戦闘開始から、半日。アンズの体力が限界を迎え、バランスを崩す。

 サイクロプスゴーレムは、アンズに狙いを定める。


 「まずい!」


 ≪手練手管てれんてくだ


 ナーナを操る。


 ≪牛刀割鶏ぎゅうとうかっけい

 ズガガガァーーン!


 サイクロプスゴーレムの足をふっとばし、体制を崩させる。


 ぶぅぅぅぅぅん!

 サイクロプスゴーレムは崩れた体制のまま、棍棒で攻撃するが、アンズの目の前までしか届かずに地面を砕く。

 ズドーン!

 衝撃でアンズが吹き飛ばされる。


 「みゃっー!」

 ズザザッ


 「大丈夫か!」

 「何とかみゃ…。」

 「帰還だ!帰還しろ!」


 シュパッ!

 アンズがコアルームに戻る。

 「みんなも、帰還だ!」


 シュパッ!


 アンズを抱きかかえ、回復の泉に付けてやる。

 「ありがとうみゃ。」

 「ごしゅじん~。ごしゅじん~。」

 「ん。どうしたナーナ。頓狂とんきょうな顔して。」

 「いま~。ナーナ、攻撃・・したです~?」

 「ああ。オレが≪手練手管てれんてくだ≫で操ったからな。」


 「にゃ?」

 「みゃ?」

 「も~?」

 「です~?」

 「ん?」

 「「「「「!」」」」」


 「ボスにあたえたダメージは?!」

 『4.106%のダメージを確認した。』


 「「「「「お。おおぉーーーー!!!」」」」」


 200日目、200回目のトライ!初めての前進でちゅ!

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