第84話 感謝とオレ。

 空が青い。

 空気が清々しい。

 3年ぶりの外の空気だ!


 「出たぞーーー!」

 「出た~~~!」

 「出たです~~~!」

 「にゃにゃにゃにゃにゃ!」

 「みゃみゃみゃみゃみゃ!」


 「みんな。外だから連絡ができるぞ。≪レター≫の魔法を使って、冒険者ギルド経由で家族に連絡するといい。」

 南のゴーレムは、空島とくっついたおかげで、風魔法の習得条件の対象になり、プラムも風魔法が使えるようになった。


 あれ?岩山のようだった南のゴーレムが、メタリックに光輝いてるでちゅ。

 エネルギー充電で、身だしなみに気を付かえるようになったでちゅかね?


 「ぺろぺろピー(ジェリルさん。いますか?)。」

 『うわぁ?!生きてたの?魔力の塊もって、南のゴーレムに食われたんだよね?』

 「ぺろぺろピー(はい。何とか脱出しました。生存報告だけなので、これで。)。」

 『うん。落ち着いたら、食事でも行こう。約束だよ。』


 「にょきにょきビビーン(ホワイト様。いらっしゃいますか?)。」

 『あ~ら。ひ・さ・し・ぶ・り。やっぱり、生きていたわ。私の王子様。』

 「にょきにょきビビーン(生存報告だけですので…。これで。)。」

 『ちょっと!はやくない?!まぁ、連絡くれただけでも、いいわ。そのうち、何してたか話にきてね。』

 上がっていたテンションのせいで、恥かしげもなく念話してしまったでちゅ!


 『ボンテージクイーン。いままで連絡できなくてね。悪かった。』

 『ダンジョンマスター様!ダンジョンマスター様!どこに、どこに、いってたの!人は悪!人は悪!ぐにお戻りを!』

 『人っていうか、ダンジョンにはめられたんだが・・・。後でまた連絡するから、そちらの様子も教えてくれ。』

 『は!ダンジョンマスターの御心おこころのままに。』

 あれぇ~。忠誠心っぽいのが上がってる気がするでちゅ。


 「みんな。連絡はんだ?」

 「「すんだ~。」」

 「済んだにゃん。」

 「済みましたみゃ。」

 「今回も、本当にすまない。オレについてきたばっかりに。」


 左手薬指にはめている指輪を見せてくる。

 「ごしゅじん~。」

 「です~。」

 「みゃ。」


 プラムの影響で、経験譲渡の指輪をみんな購入しており、Sランク(レベル60以上)にならないようにしている。

 オレと一緒にいるために。


 「ありがとう'''''。」

 みんなの心に感動して声が震えちゃったでちゅ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る