第78話 恋話とオレ。

 ダンジョン探索の休養もかねて、のんびりと過ごしている。

 ボンテージクイーンからは、ちょくちょく念話されたが、なんとかモーニングコール1回のみにしてもらった。


 前世の知識では、女を利用する優男やさおとこでちゅ。反省でちゅ。


 「ところで、みんなの恋話こいばなを聞いてもいいか?」

 「急にどうしたにゃん?」

 「いや、今後の行動の参考にしようと思ってね。」

 「ごしゅじん~。ハーナとナーナは一緒に恋した~。」

 「ほー。」


 「アイザックの都へ行くとき~。年に3回でている無料の馬車で~。」

 「栗鼠リス獣人の少年が~乗ってて~。」

 「ハーナとナーナに~、草団子~分けてくれたの~。」

 「そのとき~。も~~~って、なった~。」

 「なったです~。」

 「「「「キャ~♪」」」」

 (どこに恋があったんだ?餌付けだろ?)


 「ふ、ふ~ん。そうなんだ~。プラムは?」


 「にゃーは、グランの街にあるラーメン屋での話にゃ。」

 「いつも、いい匂いがしてて、匂いを嗅ぎに行ったにゃん。」

 (スラム出身だしな。そういうこともあったんだろう。)

 「そんなある日、店員さんがチャーシューの切れ端をコッソリくれたにゃん。」

 「にゃふ~、ってなったにゃんよ。」

 「「「「キャ~♪」」」」

 (いや、だから、餌付けだろ!)


 「ふ、ふ~ん。そうなんだ~。アンズはオレか?」


 「はい、そうですみゃ。プラム姉が帰ってきたときに、プラム姉を何度もカッコよく救う話を聞いて、みゃふ~、ってなりましたみゃ。」

 「「「「キャ~♪」」」」

 「ははは。照れるな。」

 (あれ?対象って、くうそうでもいいのか?)


 彼女たちは、火が付いたようにいろいろな人の恋話こいばなをはじめたが、全く分らなかったでちゅ。


 「そろそろ夕方だし、草団子とラーメンを食べにいこうか?」

 「「「「は~い。」」」」

 (食べれば何かわかるかもな。)


 結果。

 わからなかったでちゅ!

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