第79話 寂れた屋敷とオレ。A

 「南種国連合カラフルコンベンションに向かう。」

 「ごしゅじん~。なんで、南の国~?」

 「いろいろな種族のいる南種国連合カラフルコンベンションなら、恋する可能性があるかもしれない。」

 「スキヤキ様。いい考えですみゃ。」

 「にゃーは、安直な気がするにゃん…」


 「しゅっぱーつ!」


 空飛ぶサナギのアゲハに乗って、西に10日。南の国はかなりとおいいので、肩の島(元浮島)で休憩をはさむ。

 肩の島では、初めてくるプラムをエスコートし、食事やファッション、アクティビティを楽しむでちゅ。

 「さ、三年間もここで遊んでたにゃん?!にゃーは、ダンジョン探索で働いてたにゃんよ!」

 楽しむでちゅ。


 肩の島からアゲハで南種国連合カラフルコンベンションへは8日かかるが、7日目に魔力嵐に巻き込まれ森の中に避難する。

 「南のゴーレムが、上空魔力不足で北上してたな。なんで、ここは、過剰な魔力嵐が起こってるんだ?」

 「ご主人様。この感じ、リキーダと同じにゃん。」

 「あたいも~。そう思うです~。」

 「ダンジョンってことか?そんな目に、何度も会わないだろ?」

 『ダンジョンマスター。我々に近い魔力ですが、人為的な操作を感じます。』

 「あっちの方にゃん!毛がビリビリするにゃん!」

 「わかった。みんな。行こう!」


 アゲハを森の茂みに隠し、暗い森の中を、生活魔法の≪ライト≫を使用して進む。

 暫く進むと、貴族の屋敷が建っているが、かなりの年月放置されていたのだろう。樹木が屋敷のあちらこちらを侵食している。

 「この中から、ビリビリにゃん。」


 外門をくぐると…

 後方危険でちゅ。後方危険でちゅ。

 「後ろだ!散れ!」


 ドスーン!


 オレたちのいた場所に、後方の上空から巨大な怪物が落ちてきた。

 虎の頭、大猿エイプの上半身、熊の下半身全身、蝙蝠の羽、蛇の尾…

 「な、なんだ、コレは?!」

 「禁呪きんじゅ合成魔獣キマイラにゃん!」

 「プラム!いけるか?!」

 「もちろんにゃん!」

 「よし!ハーナとナーナはプラムのフォロー!」

 「オレとアンズは、補助をする!」


 ≪疾風迅雷しっぷうじんらい


 「にゃ!にゃ!にゃ!にゃ!にゃ!」

 ボボ!ボボ!ボボボン!

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