第73話 桁違いとオレ。

 「ごしゅじん~。今度の恋旅こいたびはどこ~?」

 「旅に行きたいんだが、リキーダダンジョンでやることができた。」

 「にゃん?ダンジョンで何するにゃん?」

 「現在、生成中の13階層でボンテージオークレディがスタンピードのための軍団を作ってるらしいんだ。」

 「みゃ!あぶないみゃ!冒険者ギルドに任せてはダメみゃ?」

 「狡猾なボンテージオークレディは、生成中の階層を利用して、かなりの冒険者に被害を出している。だから生成中の階層でも、マップのわかるオレが抑えるほうが被害が少ないんだ。」

 「アンズ。安心するにゃん。9年間リキーダダンジョンにもぐってきたにゃーがいるにゃん!」

 「プラム姉。」

 「うん。期待してるよ。」

 「にゃん。13階層まで潜るとなると、50日は見た方が良いにゃんねー。」

 「そんなに、かかるのか。途中でスタンピードと鉢合はちあわせなんて目も当てられないな。」

 『その心配はありません。スタンピードに必要な量の生成には少なくも、あと100日は必要です。』

 『なら、いいかな。』

 「ダンジョンは4年ぶりだから、必要なものは、プラムに任せていいか?」

 「任せるにゃん!」


 ダンジョン探索5日目。

 「今日は焼き鳥丼です~。」

 「ご主人様のマジックバックは更に便利になってるにゃん。ご主人様と別れてからの食事は大変だったにゃん。」

 「おーりぃとまーぃには感謝だよ。マジックバックの中は、今や浮島のクリスタル技術を利用して作ったガラスガーデンに養鶏ようけい養豚ようとん、畑があるからな。」

 『私と契約すれば、私だっていろいろとできますよ。移動だって13階層にちょくです!』

 『契約したら、多分、スタンピード側だろ?』

 『当然です。ダンジョンマスターですから。』

 『ついでに契約しないことを伝えてくるか。』

 『マスター!!!!!』

 『冗談だよ。契約はできないが、いろいろとお前コアの一部には助けてもらってるからな。』

 『ふふふ。契約はあきらめませんよ。』


 ダンジョン探索13日目。

 「6階層は初めてだ。」

 「ご主人様が旅に出た後、できた階にゃん。」

 「ここまでは、ボアばかりだったみゃ。」

 「それは魔導士ギルドの実験で、猪を大量にコアに投げた影響だよ。今後、ダンジョン生成時には価値のある物を投げて価値の高いダンジョンを作るって話になってる。」

 「魚の匂いがするみゃ?」

 「そうにゃん。ここからは海階層にゃん。」

 「船の墓場で出た大量の魚は悪夢みゃ。」

 「ここも同じにゃん。特にボス部屋はキラー・モジャコ1000匹にゃん!」

 「「「「そんだけ?」」」」

 「にゃにゃにゃにゃにゃ!驚いてほしかったにゃん!」

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