第72話 猫々牛々とオレ。

 リキーダのとある屋敷。

 ベットの上で男にもたれかかれるAランク冒険者。


 「寂しかったにゃん。」

 「リキーダ伯爵が代替わりして、冒険者ギルドの職員である必要がなくなったにゃん。」

 「だから、お願いがあるにゃん。」

 「にゃーを!にゃーを。にゃーを…」


 「おかえり。プラム。今日からまた“コイコイ”のメンバーだ。」

 「ありがとにゃ!ご主人様!」


 「でも、いいのか?恋探しは儲からないよ。」

 「お金は十分にあるにゃ。屋敷もあるし、果樹園もあるにゃ。」

 「さすが、Aランクの冒険者だ。そろそろ、レベル60でSランクじゃないのか?」


 左手薬指にはめている指輪を見せてくる。

 「そ、その指輪は・・・?」

 前世の知識では、結婚指輪?!ひ、人妻?!プラムが人妻でちゅか!

 あれ?でも、この世界に結婚なんて制度ないでちゅね。


 「この指輪は、経験譲渡の指輪にゃん。Sランクになったら、国に管理されて、また、ご主人様といられなくなるにゃん。」

 せ、セーフでちゅ!


 「い、いいのか?レベル60になれば、スキルの壁である(中)プロから(大)マスターの能力に成長できるようになるのに。」

 「別れるときに言ったにゃん「こんなに何度も恋させられたご主人様。」にゃーはご主人様にずぅーっとメロメロにゃん。」

 「気づかなかったよ。」


 もふもふ。

 アンズと違って、硬い毛並み。これはこれで良いでちゅね~。


 「ところでご主人様。Aランクのにゃーや“コイコイ”のメンバー全員が足腰たたないこの状況。極楽浄土ってなんにゃん!」

 「ごしゅじん~。浮島で成長した~。」

 「どんな成長にゃん!」

 「呪われてるときは、誰彼構だれかれかまわずだったみゃ。」

 「こんなのしてて、よく刺されなかったにゃんよ!」

 「5回です~。刺されてるです~。」

 「・・・。」

 「今は大丈夫。好きな人にしか、しないから。」

 「そ、それなら良いにゃん。」

 「プラム姉。デレたみゃ~。」

 「そういえば、アンズはレベル20の壁超えてるにゃん?」

 「この胸見れば、わかるみゃ♪」

 おっぱい祭でレベル20の壁OKなら、もふもふでレベル13の壁OKにしてほしいでちゅ!

 ところで、前世の知識では、猫獣人×2、牛獣人×2のパーティーって、どうでちゅかね?

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