第57話 レベルの壁と俺。

 「ん…おはようみゃ。スキヤキ様。あ。胸が…」

 「ステータスを確認してみな。レベル上がってない?」

 「本当みゃ。レベル13になってるみゃ。初恋の人に、熱い夜のベットでレベルを上げてもらえるにゃんて、幸せみゃ。」


 おっぱい祭を、いいように解釈し過ぎでちゅ!


 レベル13の壁は恋をしたことがあると、レベル12になると同時にレベル13になれ、肉体も、少女から女に一歩踏み込む。


 この壁を超えていない僕の体は少年を卒業できず、この世界では種無しなのでちゅ。

 ミルク飲んでるんでちゅけどねー。

 俺は寂しい顔をしていたのだろう。


 こつん。

 アンズが俺の額に額をくっつける。

 「今度はにゃーのばん。安心して猫船に乗ってみゃ。」

 (うん。)もふもふ。


 「ハーナもいるよ~。」

 「ナーナもです~。牛船です~。」


 照れ隠しに予定を話す。

 「今日は、ジャンク魔道具の露店を見に行こう。」


 みんなで風呂に入り、ルーム・メイドに多めのチップを渡して、そそくさと露店街に向かう。


 「ここら辺~、新人の魔道具制作師ミラクルスミスが露店だしてるです~。」

 「そういえば、ナーナは、マテリアに詳しいのか?」

 「ん~ん。ごしゅじんの旅~計画聞いて~、ハーナと調べたです~」

 「そうだったのか、ハーナとナーナ。ありがと。」

 「「どういたしまして~」」へへへ


 皆で歩いていると、一際ひときわ、胡散臭い露店があった。

 ま、禍々しいでちゅ。ダンジョンコアの微弱版でちゅ。

 店主はイタチ獣人の小柄な女性で、フードをかぶり銀縁ぎんぶちの眼鏡から覗く視線は鋭い。


 「こんにちは。随分、禍々しい魔道具だね?」

 「そ、そ、そうチィ。呪いが専門でチィ。」

 「効果は?」

 「この悪臭香炉が、呪いをかけた相手に悪臭を送るでチィ。」

 「使ってみていい?」

 「どうぞでチィ。」


 うぉーん。

 魔道具が発動する。


 …・・・くさっ!闇闇闇憎憎憎憎憎


 バリィーーン

 香炉が砕け散る。


 憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎

 「ぐっ。怒らしたかも・・・」


 イタチ獣人の女性は懐から、銀の腕輪を取り出し。

 「これをチィ」

 右手首にはめてくれる。

 憎憎憎闇闇・・・…


 「これも、私が作った呪いを一段階抑える魔道具でチィ。」

 「えーと。そっち、売ったほうがよくない?むしろ、最初に売っててくれれば・・・」


 壊れた魔道具(銀貨5枚)の弁償。

 呪い封じの腕輪(金貨1枚)の購入。

 もっと強い呪い封じの腕輪の製造費。


 期待をこめて金貨20枚を払い連絡用の住所をもらった。


 邪神の呪い(中)→邪神の呪い(大)※呪い封じの腕輪で一段階減

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