第51話 脱がされた金の下駄と俺。

 5年後、レベルの壁を越えられないレベル崩れの僕は社会からはじかれたでちゅ。


 スタンピードを抑制し5階層までの安定したダンジョンの運営をしたが、ダンジョン調査の権限は、リキーダ伯爵に移される。

 冒険者としてプラムはAランクに、ハーナとナーナはBランクになり、パーティー“コイコイ”はAランクになっていたが、プラムは冒険者ギルドに移籍を強要され、パーティーはBランクになる。

 リキーダダンジョン名誉男爵きぞくの位は、リキーダダンジョン名誉都民いっぱんじんに格下げされる。


 「いや~。さっぱりしたな。これで気兼ねなく恋の旅に出れる。」

 「ごしゅじん~。頑張ったのに~全部奪われた~。」

 「もともと恋するための、旅だし。もとに戻ったんだよ。」

 「ご主人様。にゃーは、パーティーすら外され、申し訳ないにゃん。」

 (ハーナとナーナは、ついてきてくれるので助かる。ぶっちゃけ!身長とか気になる年頃です!ミルク的に!)

 「リキーダ伯爵の横やりが凄かったから、ジェリルのところが、一番良い落としどころなんだよ。プラムはレベル50超えてやりたいことやってるんだから、俺は嬉しいよ。」

 「憧れだったにゃん。アイザック・イエローの本のように、新ダンジョンの探索。夢のようにゃ。全部!全部!ご主人様のおかげにゃ!役立たずの奴隷でごめんにゃ!」


 「役立たずじゃないよ。それに奴隷が優秀なのは、セオリーなんだよ。」

 (ま、プラムもハーナも奴隷の経歴は抹消されてるんだけど。)

 「どんなセオリーにゃん。ハニービーに追いかけ回され逃げることしかできにゃかったし、寿命の残りも17年しかないへぼ奴隷だったにゃん。」

 (前世の知識では、奴隷は間違・・いないんだ。)


 レベルの壁と同様に、レベルの2倍という限界寿命が人にはある。

 僕の限界寿命は24歳・・・短いでちゅ!

 あ。人生の折り返し地点、超えてるでちゅ・・・


 「今、プラムは100歳超えれるよ。それじゃ、俺たちはいく。がんばれよ!」

 「待ってにゃん!こんなに何度も恋させられたご主人様の、恋のきっかけになればと妹を近くで待たせてるにゃん。どうか、旅に連れてってほしいにゃん!」

 「ん?話がよくわからないよ?」

 「にゃーたちのような、大人ばかりじゃなくて、年下が恋のきっかけになるかもしれないにゃん。」

 (うん。プラムに大人を感じたことがない。)


 ≪ステータスオープン≫


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 名前:スキヤキ

 種族:人族♂

 歳:13(限界寿命24)

 LV:12

 HP:85/85

 MP:65/65


 魔法:

  【ノーマル】

   生活魔法(中)、水魔法(中)、土魔法(中)

  【ユニーク】

   ドレイン、ギフト

 スキル:

  【感覚系】

   魔力操作(中)、身体強化(中)、危険感知(中)、意思疎通(小)、呪詛耐性(中)、気の源流(中)、並列思考(中)、情報分析(中)

  【知識系】

   会話筆記(中)、生活知識(中)、探索知識(中)、冒険知識(中)、社交知識(小)

  【ユニーク】

   手練手管てれんてくだ


 称号:恋の迷走者、リキーダダンジョン名誉都民

 状態:邪神の呪い(中)…邪神を崇めるものから銅貨10枚の懸賞金首

 パーティー:コイコイ(リーダー)


 結合装備:オリビアの腕輪(左腕)、ジェリルの指輪(左小指)、黒真珠のネックレス


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 (うん。プラムに大人を感じたことがない。)

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