第50話 履かされた危険な下駄と俺。
黒真珠のネックレスは僕の意思では外せなかった。
腕輪も指輪も、僕の意思では外せないでちゅ。間違ってるでちゅ!
そういえば、あんなに魔力を入れた腕輪は、何ともなかったでちゅ。
リキーダが歪んだ空間に飲まれて2日後に、王都クラーから訪れた使者と報奨に関する話をしたでちゅ。
「まずは、王にかわり、民を救っていただき感謝しております。そこで、高位の冒険者として、今回発生するダンジョンの先頭で腕を振るって頂きたいと。」
「ま、待ってください。俺たちEランクの冒険者ですよ。」
「ふむ。
(あっ。これ、逃げれんやつだ・・・)
「なら、せめて、奴隷契約を解消しますので、仲間を冒険者として扱っていただけないでしょうか?」
「ふむ。Bランクの“コイコイ”様。4名パーティーでしたか、失礼いたしました。」
「リキーダの救世主さまが、リキーダダンジョン名誉男爵の
使者は一礼して去っていった。
「ごしゅじん~。奴隷よかった~?」
「ご主人さみゃー。」
「せっかく、報奨されるんだ。飲んだくれの親父や、小さな妹たちに胸張ってやれ。」
「それより。危ないこと押し付けられたにゃん!出来立てのダンジョンはボス部屋がなくて危険にゃん。」
「ボスがいないの?」
「違うにゃん。全ての階層のボスがどこにでも出てくるにゃ。下手したら、入り口で待ち構えてて、ニヤついてたりするらしいにゃん。」
「ダンジョンのことは安心しろ。なんとかなるから。」
『なんとかですか?ダンジョンマスター(仮)。契約していただかないと、部下に襲われますよ。』
『契約の件は、ノーと言ったよ。』
『私に言われても受付しかねます。最下層のダンジョンコアで申請してください。あ。契約はこの場でも直ぐにいたしますよ。』
『・・・。悪徳商法だよね。』
『特典がいっぱいですよ!』
『でも、契約しなくてもダンジョンのマップや魔物の配置は教えてくれるんだろ?』
『はぁ。死なれては困りますので。ただ、ダンジョンマスター(仮)が踏破の協力するって、どうなんですか?』
この日から徐々に、権力をもつ人々に利用されるのであった。
リキーダの救世主として ・・・
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