第48話 牛獣人の活躍と俺。

 「猪を落とすと、ヘビー・ボアですね。これは想定よ。想定。」

 「ギルド長。盾を背負わせて落としたら、面白くありませんか?」

 「まぁまぁ!副ギルド長!いいアイデアん!」


 僕ら“コイコイ”は、ここで何しているんでちゅかね。


 「ハーナさん、今度は、この盾を縛り付けた猪をポーンしてくださいます。」

 「は~い~。」


 ぶぅん!!ポーーーーーーン!

 「ブギャギャ?!」


 投げ落とされた猪と盾は、溶け合い、金塊に変わった。

 「まぁまぁ?予想外よ。でも、アプローチ続ければ、分るかもしれないわね!」


 楽しそうな魔導士ギルドの面々を横目で見ながら、ふと、海に目を向けると、遠くの海がキラキラと輝いている。

 「なんだろ?だんだん、近づいているような。ククレカさん!ククレカさん!ちょっと、海のほうが!」


 「もう!今、忙しいので、後にしてくださる!」

 「いやいやいや!海の方が!」


 大量のキラキラの光がうねうねと動きながら、海から街の上空に延びていく。


 「ジェリルの指輪してるんでしょ。ジェリルに聞けば分るわよ!ナーナさん、今度はコレをポーンしてくださいます。」


 したくないが、仕方ないでちゅ。

 「ぺろぺろピー(ジェリルさんいますか?)。」

 『はーい。なに?』

 「ぺろぺろピー(海から大量のキラキラの光が)。」

 『あー。僕の親のクラーケン。時間ないから主要な建物はまるごと運ぶことにした。で、そっちは?』


 光を眺めながら、こちらの状況を伝える。

 数百本はある触手が色とりどりの点滅をしながら、大きな建物を地面ごとえぐり取り、運んでいく。


 「ごしゅじん~。きれ~。」

 「にゃ~。」


 ぶぅん!!ポーーーーーーン!

 「ブギャギャ?!」

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