第42話 水の都リキーダと俺。B

 「ごしゅじん~。宿とってきた~。」

 「ありがと。」

 「少し高かったです~。」

 「どのくらい?」

 「ごしゅじん~、銀貨25枚の部屋で、あたいら~、使用人用で銀貨10枚~。合計で銀貨35枚です~。」

 「え?今日から俺だけ独り・・・」

 「だいじょうぶ~。ごしゅじんの部屋広いからみんな入り浸れる~。」

 良かったでちゅ。


 「宿の女将~、温泉庭園すすめてたです~。」

 「おすすめか。よし、みんなで行こう。」


 カヌーで海辺の離れた区画にある園温泉庭に移動し、みんなで女性用の更衣室に入る。

 「にゃ?ご主人様はあっちにゃ。」

 「俺だけ独り・・・?」

 「8歳でも、やたら大人びてるにゃん。」

 「お・ね・が・い。」

 男湯で意識を奪われ、複数人の男から体に魔方陣を描かれていらい、男湯には入れてないでちゅ。

 「しかた、ないにゃー。・・・なんだか、デジャヴを感じるにゃん。」


 湯着に着替え更衣室をでると、そこは、


 広大な古代遺跡の廃墟に温泉を流し、観賞用の熱帯植物が植えられ、魔方陣によるカラフルな噴水がいくつも噴き出し、非日常の場を形成している。


 「幻想的だ。」

 「すごいにゃ!」

 「すご~い~」

 「すごいです~。」


 みんなで遺跡を巡りながら温泉に入る。

 フードコーナーで食事をとり、高台に行き、夕焼けで海から温泉までオレンジ色に染まるのを眺めて感激する。


 危険でちゅ。危険でちゅ。


 「俺の危険感知が、警告してる!夕焼けで分かりずらいが、この高台から見えてる庭園の中心部の空に、洞窟の天井のような模様が現れてないか?」

 「あ~。ほんと~。」

 「何、何です~。」

 「みゃみゃみゃみゃみゃ!!!」

 プラムがしっぽの毛を逆立て、興奮してるでちゅ。

 「プラムは何か分るのか?」

 「みゃみゃみゃみゃみゃ!!!」

 「落ち着け。」

 しっぽを優しくなでなで、でちゅ。

 「みゃ?!ふ~。ふ~。」


 「落ち着いた?で、分るのか?」

 「アレは!アレは!多分、ダンジョンパラドックスにゃん!」

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