第41話 水の都リキーダと俺。A

 「ついたーー!」

 「ついたにゃー!」


 がしぃ。


 プラムとハグする。

 「誰も死なないで、本当に良かった!」

 「ぃきてるにゃ!」


 出発してから10日、水の都リキーダについた。

 リキーダの4分の1は運河になっており、移動や荷物の運搬は、カヌーにより行われている。

 おーりぃがいたら、水遊びしてあげたかったでちゅ。


 「ごしゅじん~。あたしとナーナで宿をとってきますね~。」

 「ああ、頼む!俺は冒険者ギルドで滞在を申告するから、宿を取ったら、迎えに来てくれ。」 


 冒険者ギルドを探しながら、都を散策する。


 「グランの都と違って、運河が光に映えて綺麗だな。」

 「恋の都と言われる理由がわかるにゃん。」


 運河が多いと恋なのでちゅか?


 「ベナムズの街では、おもにお祝いようの大きく綺麗な魚の収穫が依頼だったけど、リキーダでは、どんな依頼があるのかな。」


 「リキーダでは、漁業権がないと魚取れないにゃん。依頼はバカンスにきた令嬢の護衛とかが多いにゃん。」

 「うわ~。つまらなそう。」

 「そもそも、Bランク以上のパーティーじゃないと、取り合ってもらえないにゃん。」

 「パーティー申請もしておくか。」

 「新規登録時は、Eランクから始まるにゃ。」


 冒険者ギルドのカウンターでは、たこ人のおねーさんが1人で6つのカウンターの業務をしている。

 「圧巻だな。」

 「すごいにゃん。にゃーは、1つすらまともに出来にゃかったのに・・・」

 (出来なかったのかよ!)


 滞在申請とパーティ申請を出し、迅速に受理される。

 「にゃーの2倍は、速かったにゃん!」

 (6つカウンターで2倍なら、12倍だよね・・・)


 「掲示板の依頼を見ておこうか。」

 「護衛、護衛。あ、これキラーマンティスのカマにゃん。これは、オークの胸肉にゃん。ご主人様のマジックバックにあったにゃんよね?」

 「あー。俺のマジックバックはガラス瓶に入れないと溶けるから、もうない。放置によるゾンビ対策で入れてるだけだから。」

 「にゃ!?」

 「それに、ガラス瓶に入れても、中は温かいから、直ぐに腐る。食べ物は発酵専用かな。」

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