第40話 白い霧と俺。

 俺は3人からのキスの雨で目を覚ます。レベルを確認して、見張りを交代する。

 襲撃もなく、朝になり、プラムとナーナを起こす。


 少し離れたところでハーナとナーナが白い霧を出しているでちゅ。

 「何してるの?」


 振り向いた二人は胸を出して、ミルクを散布している。

 「牛獣人は~子供いなくても~、ミルクが貯まる~だから、捨ててる~」

 「飲めないの?もったいないね。」

 「飲めるよ~」

 「なら、今後、朝食に貰っていいか?」

 「どうぞ~」「どうぞです~。」

 「じゃ、このガラス瓶に入れてくれ。終わったら、朝の訓練をしよう。」

 「わかった~」

 「わかったです~。」


 鍛錬。

 プラムには魔力を体に巡らせて魔力操作の向上をさせる。

 ハーナとナーナには俺がケツに手をあて、手練手管てれんてくだで、バトルアックスとオークのこん棒を素振りさせ、体に動きを覚えてもらう。


 フォーメーション訓練。

 プラムは、ハーナとナーナに近づく敵への遠距離攻撃。ハーナとナーナはリーチを生かして、近づく敵の牽制けんせい。襲撃パターンを想定し繰り返し練習する。


 朝食。

 「ミルク濃くておいしいにゃー!なんで、売らないにゃん?」

 「コップ一杯分くらいしかでない~。乳牛の1万分の1のりょ~」

 「コップ一杯で十分だよ。料理にも使えないか?」

 「ホットケーキとかです~?」

 「発酵草で発酵させればヨーグルトやチーズができるにゃー。でも、旅では発酵の温度維持が出来ないにゃんねー。」

 「発酵できるかも。俺の腕輪は、マジックバックになってるんだけど、どういう訳か中が温かい。明日にでも試してみよう。」


 その後の旅で、ヨーグルトは作れたでちゅが、戦闘は散々な目に合ったでちゅ。

 ハニービーによる空中での移動攻撃に翻弄ほんろうされたり、複数のジャイアントアントに絡まれたり。


 今は、巨大なキラーマンティスが頭上からカマを振り下ろし、俺たちは逃げまどっている。

 前世の知識で、カマキリの弱点はわかるでちゅ。

 背中に飛びつき、プラムに指示をだす。

 「こいつの弱点は!ここ・・・」


 ブブブッ


 俺を乗せたまま、空に飛び立つ。

 「だぁぁぁ??!!!」


 「「ごしゅじん~~~~~・・・・。」」

 「ご主人様~~~にゃぁ~・・・・!」


 空高く。空高く。

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