第33話 スタートに失敗する俺。

 「水の都リキーダに向かうよだぜ。なんたって、恋の都と言われてるんだよだぜ。」

 (旅には、安全のためパーティーを組みたい。奴隷商にでもいくか。あれ、お金?そうだ。プレゼントの腕輪に入っているものを確認しよう。)


 ・冒険者証、土神殿証の入ったガラス瓶

 ・着替えの入ったガラス瓶

 ・金貨200枚の入ったガラス瓶

 ・解体用道具の入ったガラス瓶

 ・ポーションの入ったガラス瓶

 ・地図と筆記用具の入ったガラス瓶

 ・ガラスの杖

 ・空のガラス瓶×10


 金貨200枚も。ありがとう、まーぃ。おーりぃ。でも、大金もってる子供って格好の獲物でちゅね。ブルッ


 はぁ~、恋はどうしたらできるでちゅかね?

 ふと、看板をみると。


 『一泊の恋人と夢の世界にイキませんか?』


 (これだ!娼館に向かおう!)


 「ここが看板の娼館か。いくぜ!」


 娼館の女主人に、めちゃくちゃ説教されたでちゅ。

 「あんたみたいな子供を入れたら、娼館の免許とり消されちゃうわよ!ふざけたこと言ってっと、玉切り取って、ゴールデンボールにお供えするわよ!ほかの客の邪魔!いったいった!」


 ちなみにゴールデンボールとは、7年前に邪神の右手を封印した金の玉を記念して、神殿前に造られた巨大な金の玉のオブジェでちゅ。

 どうして、造る前に気づかないでちゅかね、圧倒的に別の何かをイメージさせてるでちゅ。


 それと同じで、よくよく考えれば、そんな簡単に恋なんてできないと気づくでちゅ。

 「あっ。称号が、恋の迷走者になってる・・・ぜ。」

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