第32話 まーぃもおーりぃもだよー。

 (まーぃ。)


 #ずびずび、ぶびっ#

 #■■!■■■■!#

 #■■■■■!#


 (おーりぃ。)


 #わーーん#

 #■■■■!#

 #■■■■■■!#


 この世の終わりぐらい、俺が落ち込んでるのに隣の部屋の奴がうるさい!


 「嫌われだぁ~~~!」

 俺なんか、8年も一緒にいた人に、捨てられたんだぉ。。。?この声。

 俺は壁に聞き耳をたてる。


 「こんなに好きなのになんで?なんでなの。よ~」しくしく、

 『なんでだろうなぁ。じゃが、愛する人を不幸になど、わしにはできんのじゃ。』

 「わかってるよ~。」しくしく、


 「赤ん坊のころもすごかったのよ。盗賊から救ってくれたり、崖から落ちるところを救ってくれたり」

 『わしだって、寝てたらいつの間にか、川ができてて寝ずらかった所を移動させてくれたのじゃ』

 「朝の稽古で、えい、えい、言ってるのよ。もう、飛び出して抱きしめたくなっちゃうし」

 『同感じゃ。あれは反則じゃ』


 「ここの所、大人びてかっこいいし。」

 『そうじゃの~。あれはいい男になるのじゃ。』

 「笑顔みてるだけで、とろけるのよ。」

 『湖でわしを乗りこなすときの、あれの魔力は痺れるのじゃ。』


 褒めちぎっている・・・めっちゃくちゃ悶える。


 明るくなり始めても、まだ、話している。


 朝一番に宿を出る。

 (愛されてる!すごく愛されてる!)


 「俺、男になるよ!」

 強い思いをしたのでちゅ!


 「そして、恋をしてやる!」

 強い決意をしたのでちゅ!


 「そして、うじうじ悩まない!」

 強い意識をしたのでちゅ!


 「まずは、言葉からだぜ!」

 だぜ!でちゅ!

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