第31話 二人からのキスだよー。

 7年祭のあと、俺の邪神の呪いは、(微)から(極)になっていた。

 危険な状態の呪いを弱めるため、土神殿の保護のもと、グランの都で7年間過ごし、邪神の呪いは、(中)にまで下がった。


 マリーは土魔法を覚えた、土神殿は山と同じ効果があるとのこと、俺も覚えた。


 オリビアは、自力で永眠歩行を取得した。

 長いスカートで足を隠し念動力でわずかに浮き、足が動いてるようにスカートを動かして、すぅーーと移動する。


 今日の7年祭は、心の底から楽しんでいる。

 まーぃとおーりぃと屋台巡りをして食べさせあい、笑いあう。

 色とりどりのゴーレム群のパレード。

 「うわ!建物の壁から飛び出したりするんだ。7年前には気づかなかったけど、すごい!」

 土神殿では、扉が開き、一般の人に7年に一度の公開。

 「ぼくたちは、入らなくていいかな。お世話になってたし。」

 冒険者ギルドマスターのクレアっち、探索者ギルドマスターのガリあん、魔導士ギルドマスターのコーっぺ。

 今回は、みんな祭を楽しんでいる。この都では多くの人と仲良くなった。


 夕方のメーン広場は、カップルが増え、いちゃいちゃしている。


 俺は二人に告白される。


 「スキヤキちゃん。愛してるわ。」

 チュ。

 (し、舌が?!)

 んっんんん。


 「ぼ、僕も愛してるよ!」


 『わしも、愛してるのじゃ。』

 チュ。んっあんん。

 「愛してるよ!」

  

 「スキヤキちゃん。ステータスを見て。」


  ≪ステータスオープン≫


---------------

 名前:スキヤキ

 種族:人族♂

 歳:8

 LV:12

 HP:85/85

 MP:65/65


 魔法:ドレイン、生活魔法(小)、水魔法(未開化)、土魔法(中)

 スキル:

  【感覚系】

   魔力操作(中)、身体強化(中)、危険感知(小)、意思疎通(弱)、呪詛耐性(中)、気の源流(中)

  【知識系】

   会話筆記(中)、生活知識(小)、探索知識(弱)、冒険知識(小)

 ユニークスキル:手練手管てれんてくだ


 称号:甘えん坊

 状態:邪神の呪い(中)…邪神を崇めるものから銅貨10枚の懸賞金首

---------------


 「どう?レベルは上がってる?」

 「12のままだよ。大丈夫、気にしてないよ!」

 (天にも昇る気持ちでちゅ。あ、久々にでちゅった☆)


 「・・・この場で別れましょ。」

 『別れるのじゃ。』


 「へ?」


 「スキヤキちゃんは才能あるのよ。このままだと。運が良くてあと12年、下手したら一生レベルが上がらないの。」


 (・・・何か言ってるけど、心も意識も追いつかない・・・)

 『この腕輪はプレゼントじゃ。わしは酷い女でいいのじゃ。でもプレゼントとは使っておくれ。』

 (何でプレゼント?あ、ぼくもプレゼント用意しなきゃ・・・)

 『ガラスの瓶に入れたものをしまえるマジックバックじゃ、生活に必要なものをいれてあるのじゃ。ただ、ガラスの瓶に入れてしまわないと溶けるから注意するのじゃぞ。』

 (ヘビをモチーフにした腕輪だ、おーりぃらしい・・・)

 「それじゃ、いくわ・・・」


 まーぃが、おーりぃの手を引き去っていく。

 (な、何か言わなきゃ)


 あとを追いかけようと、一歩踏み出すと。


 「ダメ!ついてきちゃダメ!」


 ・・・


 気が付いたら、どこかの宿屋のベットに突っ伏していた。

 なんとなく天井を見上げ、知らない天井だと思った。

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