第29話 あだ名ばかりだよー。
マリーやオリビアに伝えたら、直ぐにフラーを退治してくれるけど、7年祭のテロは阻止できない。
二人はポーカーフェイスできなさそうだし、テロの情報を聞き出すまで、独りで何とかする。
祭の6日前、挙動不審にならないように努める。
朝、気の源流の手ほどきを受け、街道を旅し、途中の街で必要なものを買い足す。
フラーはなんだかんだ言って、そのまま一緒にグランの都へ向かうことになる。
その夜も街道でキャンプをはり、夕食を運ぶと赤い実を食べさせられる。
心の中では、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だと思いながら。
「ん?なんか、薄いな?もう、一個食べとけ。」
今日も酔っ払っていたので、ばれないよう一つは食べたふりして、懐にしまう。
ステータスを確認すると、呪詛耐性(弱)が付いていた。
祭の5日前、夜にグランの街につき、冒険者ギルドで祭の見物のため滞在日数をとることを申告する。
宿屋は祭客でどこもいっぱいだったので、フラーに紹介してもらった宿に泊まらせてもらう。
宿では男同士ということで、フラーと一緒に風呂場にいくと、甘い香りにぼぉー。っとさせられて、複数人の男に体中に魔方陣を描かれる。
しばらくすると魔方陣はすぅーっと消えていく。
風呂から出るとオリビアに「なんか、変わったのじゃ?」「な、何でもないよ!」とごまかすが、状況は変わらず、事態は進んでいく。
祭の4日前、体の魔方陣の痕跡を証拠にできないかと魔導士ギルドを目指す。
直接向かったら、ばれると思い。近所の子と遊ぶと伝え、公園に行き遊んでいるフリをする。
思いのほか楽しく時間を忘れてしまい、昼近くになる。
遊んでいるフリで通りの人の影を踏みながら移動するが、魔導士ギルドの場所がわからない。
冒険者ギルドで聞くことにして冒険者ギルドへ向かう。
追っ手を警戒し、人ごみの足元を抜けたり、ぼぉー。っと歩いてる人に手練手管を使用して親子のフリをして移動したりする。
冒険者ギルドのカウンターにいる猫の獣人のお姉さんに道案内を頼むが、あしらわれる。
「おねーちゃんしか、お願いできる人がいないのー。お・ね・が・い☆」
他に方法もないので全力で可愛い子ぶる。
「しかた、ないにゃー。」にへへ
カウンターの奥にある部屋に通される。
「時間つくるから、ちょっと、この部屋で待ってるにゃん。」
コンコン。
「入りな。」
「クレアっち。ちょっとだけ、この子預かってにゃー。」
「プー!ここは、保育所じゃないよ!」
「窓口で待たすと、ごっつい人ばかりでかわいそうにゃんよ。とりあえず、お願いにゃん。」
俺を部屋に残し、業務に戻っていった。
部屋ではカメレオンの獣人のおばちゃんがデスクワークをしているので、迷惑にならないようにデスクの前にあった椅子に座る。
しばらくすると、話しかけられる。
「おとなしいね。えらく、深刻な顔してるけど、なんかあったのかい?」
少し、話そうか話すまいか悩んだが、魔導士ギルドへいったら話すのだからと、ぽつりぽつりと話始める。
邪神の信者の狸獣人にアビスの実を食べさせられ、呪いを強化されていること。
アビスの実は実物を持っていること。
7年祭でおこなわれるテロの人柱にされていること。
体に魔方陣を描かれているので魔導士ギルドにいって、テロの証明をしなければならないこと。
「ダメだったら、どこか、ひとり森で・・・逃げるの得意だし・・・」
気づくと頭に手が置かれ。
「あたいの仕事だ、まかせな。」
扉をあけ、数人のギルド職員を呼ぶと。
「あたしの貸しでいい。魔導士ギルドのコーっぺと、探索者ギルドのガリあんを呼んどくれ!すぐに!」
突然、動きだした状況に唖然としてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます