第24話 ドゴォーンでちゅ!

 眠くて眠くて舟をこぎながら冒険者ギルドに戻り、ベンチで横になると直ぐに眠りに落ちた。

 昼に起きると、マリーが顛末を話してくれる。

 「さらわれた子たちは大丈夫よ。水晶の中で仮死状態になってて、魔導士ギルドのほうで解除してくれてるわ。」

 「よかったでちゅ。」

 「報酬なんだけど、解決につながった情報だから金貨2枚と銅貨10枚になったの。」

 (銅貨10枚の部分にからかいを感じるけど、ふれないでちゅ!)


 冒険者ギルドの飲み屋ブースから不愉快な会話が聞こえるが、聞かなかったことにする。


 銅貨10枚ゲーム! ぱんぱん! 邪神の財布 ぱんぱん! たわし ぱんぱん! 木ペン ぱんぱん! ポーションのフタ ぱんぱん! ヘアピン アウト―!! それは銅貨1枚くらいだよ! ハハハハハ!


 聞かなかったことにする。


 「スキヤキちゃんが壊した像あったでしょ。アレに邪神の存在を高めて、中級魔族を召喚しようとしてたらしいの。」

 「召喚?されてたら、どうなるでちゅか?」

 「うーん。街壊滅かな?」

 「でちゅか?!」

 「複数のAランクのパーティーで、やっとの災害だもの。」

 「どうして、、、」

 「邪神信仰は苦痛放棄の代償に、他者の苦痛を要求するのよ。スキヤキちゃんは絶対に信仰しちゃダメよ。」

 「しないでちゅ!」

 (呪いかけてくる信仰なんて拒否でちゅ!)

 「邪神の呪いだけど、呪詛解除って金貨10枚かかるのよ。だから、銅貨10枚の呪いなんてほっとくけどいい?」

 『すまぬのじゃ。キャンセルしていたのじゃが、力およばずじゃ。』

 「いいでちゅ。なかったことにするでちゅ。」


 金魚亭の部屋に戻り、水魔法について聞いてみた。

 「いつか水魔法使いたいでちゅ。街を出たら、3年でちゅか?」

 「累積だから、ここにいた日数は無駄にならないわよ。どーしても使いたいなら、オリビア様に使ってもらったら?」

 「できるでちゅか?」

 『できるのじゃ。まぁ、みておれ!』

 「え?え?ちょっと。オリビア様!」


 ≪オーシャンインパクト≫


 オリビアの頭上に強力な水圧の球体ができ、壁に向かって放たれる。

 数百度の熱を内在する水の爆弾が壁やベットを吹き飛ばす。


 ドゴォーン!!!


 ドタドタドタ!

 女将さんがやってくる。

 「あんたたち、何やってるんだい!・・・って、」

 「部屋がなくなってるじゃないの!!!!」


 この瞬間、金貨17枚の借金ができた。

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