第21話 仲直りでちゅ!

 『くーーーっ。悔しいのじゃ!今夜、犯人を捕まえて、こむすめをギャフンと言わすのじゃ!』

 「えー。夜は眠いでちゅ。」

 『昼に寝ればいいのじゃ!』


 夕食後。

 『?風呂は昨日入ったのじゃ?』

 「街にいるんですから、毎日、入りましょうね。」

 『ま、毎日じゃと?!』

 「スキヤキちゃん。オリビア様連れてきてー」

 『や、やめるのじゃーーー・・・…!』


 深夜の人気のない海で暴れるサーペント。


 『こむすめめ!風呂のせいで、体がほてってウズウズするのじゃー!』

 「まーぃに、素直にそう言えばいいのでちゅよ。」ふぁぁ

 「眠いでちゅ・・・」

 『ふん!嫌なのじゃ!ほてってウズウズするなど、まるで欲求不満の女じゃ!』

 「おーりぃのプライドでちゅか?でも、言わないといつまでも風呂に連行されるでちゅよ。」

 『・・・か、考えておくのじゃ。』


 「そろそろ、もどるでちゅ。」ふぁぁ

 『うむ。ん?明かりも灯さずに船が出ておるな、こんな深夜にへんじゃの?』

 「娼婦さらいでちゅか?」

 『わからん。むこうの小島に向かってるようじゃ。あとをつけるぞ。』


 小島につくと船から出てきた男たちは土のう袋を担いで倉庫に降ろしている。

 「荷物運びでちゅね。」ふぁぁ

 『いや、ビンゴじゃ。わしは熱を見ることができるのじゃ。あの土のう袋には、女が入っているのじゃ。』


 いそいで宿屋に戻り、マリーに飛びつく。

 「まーぃ!まーぃ!きいて!きいて!」

 「なんですかー。こんな時間に。」ふぁぁ

 「おーりぃ無罪でちたよ!まーぃが名誉棄損でちゅよ!」

 「ふぁぁ?!なんの話よ?」

 『謝ってもらうぞ!真犯人のアジトを見つけたのじゃ!』

 「ほ、ほんと?!冒険者ギルドに知らせなきゃ!」

 「まーぃ。謝るのが先でちゅ。」

 「あっ。そうね、オリビア様、犯人扱いしてごめんなさい。」

 「それと、おーりぃを無理矢理風呂に入れるとおーりぃの影が勝手に街をうろつくから、風呂は禁止でちゅ!(嘘でちゅ。)」

 「そ、そうだったの?私、良かれと思って。ごめんなさい。」

 『ふふん。わかればよいのじゃ!』


 俺だけに念話が届いた。

 『よくやったのじゃ!』

 (これで、明日からゆっくり寝れるでちゅ。)ふぁぁ

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