第14話 三食○○付きでちゅ!

 しばらく崖を降りていくと、トカゲの気配はなくなり、滝の音が大きく聞こえ出した。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


 「まーぃ。≪手練手管≫で体使っちゃって、大丈夫でちゅか?」

 「大丈夫よ。多分、えい!ってすれば体は使えそうよ。今使うと壁面から落ちちゃうからやらないよー」

 「わかったでちゅ。あそこにありゅ滝の大岩についたら、体返すでちゅ。」


 「じゃ、体返すでちゅ!」

 「ありがと!スキヤキちゃん!おかげで、ソイルリザードンから逃げ切れたわ。でも、」

 「私、んーん。おねーちゃんとして、その力は安易に使わないほうがいいと思うの。約束してくれる?」

 「うん。約束でちゅ!」

 「指切りしよっか、小指だしてー。」

 「嘘ついたら、ゆーびきーり、ハリツケ、クシザーシ、ゾーンビのえさ!」


 こわっ!ペナルティ、こわっ!


 『体を動かせるのじゃな?』


 「まーぃ?」

 「おねーちゃんじゃないわ・・・足元から聞こえて・・・」

 『わしの頭の上で騒いでおるのじゃ、ガキども。』


 マリーと二人で乗っても、まだ余裕のある大岩があたまー?!

 「「・・・」」


 『わしの体を貸してやってもよいぞ。トカゲごときに困っておったのじゃろ?』

 「ほんとーでちゅか?!」

 『ただし、条件があるのじゃ!』

 「じょ、条件ってなんでしょうか?生贄とかはあげませんよ!」

 『いらんわ!条件は、わしの代わりに体を使って、毎日1食永眠付きで世話するのじゃ!』

 「3食じゃなくてでちゅか?」

 『3食永眠付きで世話するのじゃ!』


 あっ、増やした・・・って、そもそも岩のくせに食事?永眠って、どんだけ寝たいんだよ!

 

 「まーぃ。岩には使っていぃ?」

 「そうね。この岩にはいいわよ。」

 『3食永眠つきじゃぞ!』

 「わかったでちゅ!」


 ≪手練手管てれんてくだ


 大岩に魔力を通すと、大岩ではなく巨大な蛇だと認識した。

 更に魔力を通して、頭を持ち上げ、紺色の巨大で長い体をうねらせる。


 「サ・・・サササ、サーペント!なんで川にいるのよ!」

 『種族名で呼ぶな!こむすめ!わしはオリビアじゃ!』

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