第13話 街へ向かうでちゅ!

 「スキヤキちゃん。私と街へいかな?」

 「まちゅでちゅか?」

 「もうすぐ、冬がくるの。ここでの冬越えは難しいと思うの。」

 「全部、燃えちゃったでちゅからね。」

 「じゃ、いきましょうか!」


 左をみる、右をみる。

 「「・・・」」


 「どっちでちゅか?」

 「私、かんはいいから安心して!」


 アカママの存在は大きく、この深い森の中のどこへでも行け、ある程度の魔物や動物を狩れた。

 今や、深い森を目の前にどこにいるのかもわからない。

 狩るものから、狩られるものへ

 ヒエラルキーの中位から、最下位へ

 実りの秋がブーメランのように俺に戻ってきた!食べられる側で!


 「森の中だと迷いそうだから、なるべく山裾をいきましょう!」

 「まーぃって、エルフでちゅよね?」

 「・・・私は事務のエルフなの!」


 事務のエルフってなに?!


 「おんぶしてあげるから、いくわよ!」


 マリーが歩くこと数刻、山裾が崖により途切れている。

 「わぁー!深い崖ねー。下のほうで水が流れてるわ。少しもどりましょ。」

 振り返ると、巨大なトカゲの群れがマリーを取り囲み今にも襲いかかろうとしていた。

 ドジっ子マリーは、驚いた拍子に一歩後ずさる。そう、崖に後ずさる。


「あ?」

 ストンと落下した。

「キャー!」

 

 とっさにマリーに魔力を通して壁ハイハイをさせ、両手両足で崖の壁面にぺたりと張り付く。

 「あ、あぶなかったでちゅ!助かったでちゅかね?」


 トカゲ達は、強靭な爪を使い、崖に張り付いて追ってくる。

 「ひつこいでちゅ!」


 ≪身体強化≫シュババババ!


 更にマリーに魔力を通して高速ハイハイをさせ、崖下へ逃げる。


 スキル

  魔力操作(弱)→魔力操作(小)

  身体強化(弱)→身体強化(小)

 ユニークスキル

  なし→手練手管てれんてくだ(対象を魔力で操る。)

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