第12話 秋は恋の季節でちゅ!

 季節は秋になり、森では木の実や果実が豊富に収穫できる。

 俺はマリーと一緒に、焼き芋を食べている。


 はふはふ「秋ですね。」

 はふはふ「秋でちゅね。」


 アカママが、鳥を咥え住処に戻ってきた。

 「いつも、ありがとうございます。」

 マリーが鳥を受け取ろうとすると、アカママに蹴飛ばされ転がっていった。


 「アカママ?」


 もう一度、マリーが、鳥を受け取ろうとすると、やっぱり蹴飛ばされ転がっていった。


 一匹の赤いオオカミがアカママの隣にやってきて、アカママに頬ずりをしている。

 「どなたでちゅか?」


 アカママは、咥えていた鳥を俺の前に置き、視線を合わせた後、住処のほうを向くと。


 ≪フレイムブレス≫

 俺たちの住処は、炎に包まれ、燃え広がっていく。


 もう一度、俺と視線を合わせると、俺に背を向けてよそのオオカミと走り去っていく。

 「・・・アカママ?アカママ!ア、ママーーーー!」


 「・・・」


 マリーが、そっと抱きしめてくれた。

 「・・・まーぃ。なんで?」

 「なんでですかね。」


 視線を合わせたときに、本当は気づいていた。巣から追い出し巣立ちをさせたのだと。

 はふはふ


 ふと、見上げると、マリーは芋を食ってやがった!

 本当はひっぱたいてやりたがったが、マリーにも去られたらと思うと必死にしがみついていた。


 はふはふ「食べます?」

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