第3話 壁ハイハイでちゅ!

 日課の母へのドレインをして、ネズミへの罠(エサ)を集めるために大きな壁に直面していた。

 そう、大きな壁である。別に精神的な意味ではない。

 この壁の上のほうには、虫がいっぱい張り付いているのだ。

 でも、赤ん坊の俺には到底とどかない。


 ジャンプ?着地があぶなそう。

 そもそも、ジャンプできない。


 道具?道端に落ちてるのはせいぜい小石。


 魔法?う~ん。


 魔力操作を使って、壁に貼り付けないか挑戦でちゅ!


 ペタペタ


 ペタペタ


 (無理そうでちゅ・・・)


 ぺたぺた


 ぺたぺた


 (諦めたら、そこで終わりでちゅ!)


 ぺたりぺたり


 ぺたりぺたり


 (感触が変わってきたでちゅ!)


 ぺた~り


 (?!)


 ぺぺぺぺッ!


 「ばぶぶ!!(やった!壁ハイハイできたでちゅ!)」

 「ばぶー!(虫無双でちゅ!)」


 ≪ドレイン≫≪ドレイン≫≪ドレイン≫≪ドレイン≫


 (きゅ、急激にねむくなってきたでちゅ・・・今日はもう、寝るでちゅ)


 MP:1/20


 母の死骸にもどり、胸に抱かれ眠りにつくのであった。

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