第2話 高速ハイハイでちゅ!

 母だったものはとてつもなく臭くなっていた。


 (ドレインしたら干からびて、匂いが少なくなるかな?)


 ≪ドレイン≫


 母だったものが少しづつ、干からびていき、その中で蠢く生き物が少しづつ動きを止めていった。

 ゾッとしたが、臭かろうが中で何が蠢いていようが母から離れるという選択肢は俺にはなかった。


 匂いが多少おさまったのを確認し、今日はネズミを捕まえる方法を考えることにした。


 ドレインという魔法を使えるのだから、魔力を操作し身体強化に使えるのではと前世の知識から考え出し、体に魔力をゆーっくりと流しハイハイしてみた。


 シュババババ


 「ばぶ!(いけたでちゅ)」


 あとはドレインして干からびた虫を一か所にまとめて、ネズミが来るのをじーーとまつだけ。


 じーー。


 じーー。


 うつら、うつら。


 「・・・ちゅーちゅー」


 (はっ?!)


 ≪身体強化≫シュババババ!

 ガシッ!

 ≪ドレイン≫


 ネズミは干からびていき、パシィっと砕ける音がした。虫をとっていたときに、なんとなく、砕けいるのは魔石だと気が付いた。


 「ばぶぶ!!!(やった!ネズミをとったでちゅ!)」

 これで、しばらくは生き延びられる。


 ≪ステータスオープン≫


---------------

 名前:スキヤキ

 種族:人族♂

 歳:0

 LV:3

 HP:14/28

 MP:9/20


 魔法:ドレイン

 スキル:魔力操作(弱)、身体強化(弱)

 ユニークスキル:-


 称号:孤児

 状態:飢餓

---------------


 そして、今日も母の死骸にもどり、胸に抱かれ眠りにつくのであった。

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