エピローグ
庭園の中心はやっぱり池だった。その周りを私はゆっくりと歩く。
反対に目をやると、芝生を飾る星を小さな手が投げ合って遊んでいる。
ピンク色のドレスを揺らめかせて振り返った彼女が「今度結婚するの」と微笑んだ。彼の姿をした私に駆け寄って、腕を取る。二人で笑い合う。
名前の違う私が「また名前が変わるの」と微笑んだ。私の姿をした彼に駆け寄って、腕を取る。中身の違う私が二人、笑い合う。
私の腕を引いたのは妖艶な美女で、「ザクロが必要ならいつでも言ってね」と微笑んだ。
小さな手が投げた星が降る。
池の中から飛び立ったアオサギが垂れ幕を掲げている。
「閉園時間になりました」
飛び石の真ん中を踏むと、どこか知らない駅だった。
……なんてことは全くなく。
明日はどこへ行こうかな。
終わり
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★参考
・Webサイト「庭園へ行こう。」東京都公園協会
http://teien.tokyo-park.or.jp/
・それぞれの庭園のパンフレット、園内にある解説や案内板等
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※登場人物やその周りの出来事は、フィクションです。
庭園には実際に行っていますが、日記・体験レポートではありません。
都立庭園物語 葉原あきよ @oakiyo
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