続きか、終わりか。



その震えた手を掬う様に包むのは、

冷ややかな黒手袋


彼は包容力を纏う声で諭す




「大丈夫だ。



――空の海も、

電子の海も、変わらず海だ」





「ち、違う。


電子の海は……







それは紛れもなく












―――――――死の海、です…」



包まれた手の中でも、

その体温は下がっていく。






「私はもう電子化している。


分かるか。

脈も、体温もある」





「あ、




ああ……







あ……あ…






身体の、電子化。

実体は良く分かっていない。


 それは都市伝説だ。



しかし、彼の手は温かい。













電子化とは

永遠に生きる事なのか、









それとも、

永遠に死ぬ事なのか













生か死か分からない禁忌を、

迫られている。











そして何より、



    死が、迫っている。





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