未来に正しさは必要か、不要か



大衆の眼にも、光が差す。

しかし、思い出したようにその光を消した



彼らは、知っているのだ






黒船が行う「続き」は、

余りにも異質だ。




悪魔に魂を売って

延命をしている行為と同じだ。




オートマタに

魂を移し変える行為と同じだ。



してはならない行為を、

「正義」という暴力で罷り通しているのだ。







それならば、大衆は死を覚悟している。





否、そんな奇妙な奇跡に頼り、

延命したとしても


この国はどうしようもないのだ。







しかし、王の内にあるのは諦めではない。




まだ王は誰にも認められていない。









それに歪んでいても、


一瞬でも憧れていた兄達が守りたかった国を



終わらせたくはなった



「もう終わりしかない







……っ、












でも、終わりは――」



戸惑いを見せながらも、

終わりを拒む少年王。




「私が来たのは交渉……と、確認だ」


その声の抑揚は抑えられており、

機械の様に淡白だった。




「何の確認、」

何事にも諦めを覚え始めていた少年は、


黒い青年の言葉に、

久しぶりに興味という感情を抱く。



「待って下さい


貴方、は……続きなど…ではなく…」

会話を挟み、軍服を指差すのは

王の傍らにいる摂政



しかし、

咎める摂政の声は震える






終わりを前にして、

黒船は延命の手段を伝える。




――死を逃れる方法

喉から手が出たとしても、欲しい




しかし、その感情を

無理に理性で抑え込んでいるのだ。





声が震えても、仕方はない。






「黒船は望まなければ、来航しない」



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