廃墟を射す冴えた青
少年は、王になってから、
自分を嘲笑う様になった。
自身の決断は
いつも間違っている。
そう思わなければならないのに、
王として認められたい自分がいる。
実におかしいことだ。
しかし、もうそれも悩まなくていい。
小さな王の飛行艇國。
暮明が染み込んでいく様は、
終わりに蝕まれる光景と似ている。
しかし、その様な状況でも、
小さな窓から差し込むのは、
爽やかな青空の光
まるで、嘲笑うかのように、
爽やかで平和な光だった。
大衆は虚ろに空を仰ぐ。
透き通る青空が
諦めた眼に映れば鈍さを帯びる。
飛行艇國は自由の青とは、遠い錆色の空間で
どうして真実の青を映せると言うんだろう。
摂政はもう終わるというのに、
現実逃避の様に、現実と向き合っている。
青空から流れてくる鉛の弾を避け、
鉛を撃込む彼らの様子を見て
細やかな指揮をするが、
やはり、声に落ち着きがない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます