非連続殺人事件
ツヨシ
第1話
俺はその時、田舎の古いアパートに住んでいた。
平屋のアパートで、東から西にむけて五部屋あった。
俺は一番西の五号室に居を構えていた。
ある日のこと、一号室の住人が殺された。
もちろん騒ぎになり、全国ニュースでも流れた。
俺も何度となく警察の訪問を受けたが、何も知らないのでその都度その旨を伝えた。
数日後、続いて二号室の住人が殺された。
同じアパートで連続殺人事件。
騒ぎは前よりも大きくなった。
マスコミは大挙して押しかけ、警察の再訪も増えた。
関係のない野次馬までうろうろする始末だ。
そしてその数日後、今度は三号室の住人が殺された。
騒ぎは頂点に達した。
警察は面子をかけた必死の捜査にもかかわらず、まだ犯人を特定できていないようだった。
ここにきて俺も、さすがにやばいと感じ始め、慌てて引越しの準備を始めた。
慌ててと言ったが、実はそれほど切羽詰っていたわけではない。
なぜなら次に殺されるとしたら、順番から言って四号室の熊田なのだから。
夜、俺が荷物を片付けていると、玄関のドアがノックされた。
――! !
おそるおそる覗き穴から見てみると、そこには馴染みのある熊田が立っていた。
――なあんだ、脅かせやがって。
俺が戸を開けると熊田が入ってきて、俺の首を絞めた。
終
非連続殺人事件 ツヨシ @kunkunkonkon
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