その2 ドロワーズ
クリノリンの登場により、女性達は足許のことに悩まされます。
今みたいなパンツはない時代ですからね。
でもクリノリンを仕込んだスカートは風が吹けば簡単に捲れるし、なんだか心許ない。あと寒い。ペチコート重ね履き時代より風がスースーする。
そこで登場したドロワーズ!
これまた興味がない人には、聞いたことはあるけどなにさ?というものだと思います。
パンツっていうよりもっと脚全体をすっぽり覆う形で、どっちかというと『ステテコ』が近いような……?
年月が経つにつれ、見えないお洒落的に下着に装飾をするといった意味合いで、レースやリボンなどで可愛らしくなっていったようですけれど。
たぶんそれは貴族の人や素封家の人達が中心のことで、一般人はちょこっと裾に刺繍してみたり、レースつけてみました~ぐらいがいいところの、シンプルなものが多かったと思うのですが。
でもこれで、スカートが捲れても脚は見えないし、寒くもない。やったー!
そして、この膝下までの長さがあったドロワーズが時の流れと共に形に変化が現れ、短くなり、もっと身体にフィットする形になり――現在のパンツ(パンティ)になったらしいです。
ズロースという呼び方の語源は、ドロワーズらしいとか。
それでですね、
これ、わたしも調べてみるまで知らなかったことなんですが、
ドロワーズってズボン型じゃなくて、筒状の布二本に脚を通しているものだったらしいです。
つまり、股のところは縫っていなかった、と……
えっ、じゃあ
まあ、あんなもの身に着けてトイレとか大変でしょうからね。
和服だって、汚れないように裾持ち上げてパンツ下ろすの結構大変なんです。袴穿いてたらもうちょっと手間がかかる。
でもそのうち、二本の筒状の布は真ん中を縫い合わされるようになり、さっと穿けるズボン型になったみたいです。
因みに、ヴィクトリア女王は「脚を覆う形がはしたない」とドロワーズがお気に召さず、股が縫い合わされてないタイプのものを生涯着用されていたとかなんとか。
ノーパンの方がはしたない気がするんですけどね……?
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