スカートの下のこと
スカートをふっくらふんわり
その1 クリノリン
クリノリン――聞いたことはあるけれど、なんだっけ?
あまり興味のない方にはそういう程度のものだと思います。
ひとことで説明してしまうと、
『スカートを膨らませて歩きやすくさせている下着』
とでも申しましょうか……
登場したのは1800年代半ば頃。
それまでの女性達は、スカートを膨らませる為にペチコートを何枚も重ね履きしていました。
スカートの中にスカートを何枚も重ねている状態ですね。重いですね。歩きにくいですね。
それがこのクリノリンという針金などを格子編みして釣鐘状にしたもの(ドーム状の鳥籠を想像して頂けると安易かと)をつけると、重ね履きしなくてもスカートはふんわりふっくら!
わあ素敵! 軽くて便利! 歩きやすい!
そんなこんなで、女性達の間に爆発的に広がっていきました。
だって便利だもんね。お手軽可愛いしね。
もちろん弊害もありました。
スカート広がってるでしょ?
しかもただ広がってるだけじゃなくて、籠仕込んで広げてるでしょ?
あっちこっちに引っかけるよね。当然だよね。
テーブルの上のもの引っ繰り返すくらいならいいけど、暖炉の火とかに引火したりして大惨事! ということも多々あったようです。
しかもおバカなことに、当時のフランスの皇太子妃が妊娠してお腹が大きくなってきたことが嫌で、体型を隠そうとして、クリノリンを大きくしたのだって。
そしたらそれが、他の貴婦人方に「可愛い! 素敵!」と評判になってしまって、みんなでクリノリン巨大化計画を進行させたという……。
ネットでちょこっと検索すると、当時の風刺画とかが出て来ると思うんですけど、
可愛いからって巨大クリノリンを身に着けると、ドレスが一人で着れないんですよね。
そんなの身に着けるのなんて、身動きしなくてもいいような貴族のお嬢様だから、着替えはメイドさんとかがやってくれるのだろうけど、メイドさんがお嬢様に近づけない。巨大クリノリンがあるから。
台に登ったりして、数人がかりでお嬢様の上にドレスを移動させ、被せ――という着付けをしていたみたいです。
これは本当に検索してみて欲しい。馬鹿かよ……と呆れるから。
そんなこんなで、
お洒落の為にどんどん巨大化したクリノリンですけれど、いろいろ危険も多くあったので、徐々に廃れていきましたとさ。
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